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(ああ、眠い…)
お風呂から上がって部屋に戻った私は、既に引かれている布団に横たわった。
行燈の灯りを消すと、襖の隙間から月明かりが優しく部屋の中を照らした。
その時、隣の部屋からごそりという音がして、足音がこちらに近づいてきた。
スッ……
私の部屋の襖が開く音。
(風柱様?どうしたんだろう…)
気になりつつも、私は目を閉じたまま耳を澄ます。
風柱様は一度部屋の奥に行った後、部屋から出て行ったようだ。
(何かな…?)
気になった私は、極力音を立てないよう布団から起き上がり机へ向かった。
置いてあった二つ折りの紙を取って布団に戻り、開いてみる。
“お前は一人じゃねえ。忘れるな”
(かぜ、ばしらさま…)
私は元のようにきれいに折りたたむと、枕の横に置いて布団を被った。
髪の毛にポタリポタリと落ちる涙を拭いながら、私は再び目を閉じた。
隙間から差し込む月明かりはなおも優しく、私を照らしていた。
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ゆうきりさ(プロフ) - ツナミカワさん» ご指摘ありがとうございます!キャラの名前を間違えるとは…本当にすみませんこの駄作者…!直しますね! (2020年9月27日 7時) (レス) id: a3d7f766b2 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - 序章から申し訳ないですが富岡の漢字違いますよ正確には『冨岡』です (2020年9月26日 23時) (レス) id: f27e09d3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうきりさ | 作成日時:2020年8月22日 17時