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「ここかァ」
「そうみたいですね」

目の前に広がる草原。こんなところに鬼がいるのかと多少訝しみながらも、俺はずんずんと奥へと進んでいった。

「鎹烏の話だと、夜な夜な三体の鬼が縄張りを争っているようでございます」
「ったく、どこに隠れてやがんだ__面倒くせェ」

時間を割いてまで鬼を探すのは下らない。俺は刀を抜いて、自分の腕に切り傷を付けた。

「か、風柱様…」
「心配すんなァ。こうすると鬼が出てくるんだよォ」

目を見張った水澪に、前を向いたまま返した。

「…なるほど…稀血ということでございますか」

納得したような声が聞こえて、俺はそちらを振り返った。

「どうしてわかったァ」
「…?お話を聞いてそうかと…」

水澪がそう言いかけた瞬間、俺は気配を感じて前に向き直った。カサ、と草が音を立てる。

「ま…れちぃ…」
「やっと出てきやがったかァ」
「風柱様、こちら側からも二人、向かってきております」

背中合わせになったのだろう、水澪の声がくぐもって聞こえる。俺は「そうかィ」と言うと、鬼に向かって駆けだした。相変わらず千鳥足の鬼の頸は、呼吸を使わずとも簡単に斬れた。

(雑魚鬼じゃねぇかァ)

そう思って振り向く。向こう側にはまだ二体、鬼が残っていた。

「…またかァ」

水澪は一歩も動いていなかった。援護に行こうとすると、水澪がこちらを振り返らず「風柱様、こちらは私にお任せ下さい」と言ったので、俺はその場から傍観することにした。

「____あなたは、どうして鬼になったんですか」

水澪の声が響いた。

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ゆうきりさ(プロフ) - ツナミカワさん» ご指摘ありがとうございます!キャラの名前を間違えるとは…本当にすみませんこの駄作者…!直しますね! (2020年9月27日 7時) (レス) id: a3d7f766b2 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - 序章から申し訳ないですが富岡の漢字違いますよ正確には『冨岡』です (2020年9月26日 23時) (レス) id: f27e09d3f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうきりさ | 作成日時:2020年8月22日 17時

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