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ザシュッ


音と共に、鬼の頸が落ちた。俺は灰になっていく鬼から、もう一体の鬼と戦っていた水澪に目を移した。既に斬り終わったようだ。


「お待たせ致しました、風柱様」
「帰るぞォ」


そう言って足を踏み出したとき、


「!風柱様!」


俺は、地面に膝をついた。


「大丈夫ですか?!」
「クソ、最後に面倒くせえことしやがったなァ」
「血気術でしょうか?!」
「チッ…」


しくじった。鬼の頸を斬った瞬間だろうか。

足の感覚が麻痺してしばらくは動けそうにない__そのうえ、柱合会議後、結局非番の日も任務に駆り出されたため疲れがたまっていたのか、猛烈な眠気が襲ってくる。


「風柱様___風柱様____!」


だんだん小さくなっていく声に、俺は目を閉じた。

________


「風柱様!」


私が風柱様に駆け寄り、体を支えたとたん、風柱様は目を閉じてしまった。


「嘘__風柱様!」


私は焦りながら風柱様の状態を見る。


(倒れた時、足に力が入っていないようだった…痺れていた?だとしたら麻酔?でも合っている?もっとひどい毒だったとしたら…?)


混乱しつつも、私はとりあえず麻酔と仮定し、懐から蟲柱様に頂いた薬品を出して調合する。

耳の奥の鼓動が煩いくらいの焦りと緊張の中、私は注射を打った。


もし麻酔でなかったら____たしかこの薬は十分ほどで効果が表れるはず___それまでになんの反応もなかったら____

(私では対処できない!このまま地面に寝かせておくわけにはいかない…!私の力で出来るかどうかわからないけれど、蝶屋敷まで運ばなくては___一歩でも近く、少しでも早く…!)


私は風柱様の腕を持つと、大きな体をそのまま引きずった。予想以上の重さにその場にぐらつくが、何とか足を踏み出す。


(貴重な戦力である風柱様を死なせてはいけない…!私がもっとしっかりしていれば…昨日の亮太郎のことにとらわれ過ぎていた…早く鬼を斬っていれば…今日だって昨日だって、ずっと前だって花乃さんの時だって…!)


あふれ出してくる涙を拭う余裕もなく、私は一歩一歩、前に進んだ。

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ゆうきりさ(プロフ) - ツナミカワさん» ご指摘ありがとうございます!キャラの名前を間違えるとは…本当にすみませんこの駄作者…!直しますね! (2020年9月27日 7時) (レス) id: a3d7f766b2 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - 序章から申し訳ないですが富岡の漢字違いますよ正確には『冨岡』です (2020年9月26日 23時) (レス) id: f27e09d3f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうきりさ | 作成日時:2020年8月22日 17時

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