10. ページ10
.
それだけ言って、トボトボとベンチに座った。
「 はい。 」
仕方ないから、神宮寺勇太の分も買ってあげたよ。
仔犬みたいな目で、私を見つめる。
勇「 え、いいの? 」
「 お礼ね。 」
勇「 信じてくれんの? 」
「 うん。 」
だって、何かかわいそうなんだもん。
でも、またさっきの意地悪に戻って
勇「 信じないとか、まじ有り得ないもんな。 」
「 は? 」
勇「 あ、これ。 」
何か思い出したようにポケットから出したのは、
ぬるくなったオレンジジュース。
「 何これ。 」
勇「 オレンジジュース。 俺が捜してた、証拠。 」
「 ありがと。 」
ぬるいけど、本当に私のこと捜してくれてたんだね。
勇「 かわいいじゃん、笑顔。 」
明らかな照れ隠し。
「 かわいくないし!// 」
勇「 俺、お前のこと嫌いじゃないから。 」
そう言って先を歩き出した、神宮寺勇太。
今のって、どういう意味?
聞き出す勇気もなくて、
後を追いかけることもできない。
ただ、神宮寺勇太の後ろ姿を見つめてるだけ。
勇「 おい、行くぞ。 」
そう言って振り返った彼の笑顔に、どきっとした。
.
.
43人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梨沙 | 作成日時:2014年3月19日 23時