Cinderella【 岩橋玄樹 】

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玄「 A、たこ焼き美味しかった。 」





「 そうだね。 」





玄「 ねぇ、なんで怒ってるの？ 」





消灯後、自動販売機に





ジュースを買いにいったら





ばったり玄樹に会ってしまった。





今は、会いたくなかった。





「 あたしそろそろ 」





玄「 待って。 」





後ろから腕を掴まれる。





玄「 なんか怒ってる？ 」





あたしの腕を掴む彼の腕は微かに震えていて





こんな態度でも不安にさせてしまうんだって





後悔した。





「 怒ってないよ？ 」





怒ってないの。



あたしが悪いだけ。





勝手に嫉妬してばかだよね。





玄「 俺、最近Aがおかしくて不安。 」





どうしようもなくて後ろを振り返る。





少しだけ玄樹の顔が見える。





「 ごめんね、ほんとに大丈夫だよ。 」





玄「 俺、Aのことっ 」





長い沈黙が続く。





玄樹はあたしの目をしっかりと見る。





この先がもし ...




玄「 ごめん、忘れて。 」





「 うん。 」





なんて期待はする必要もなかった。





何言おうとしてたんだろう。





玄樹はあたしの手を掴んだまま。





「 飲む？ 」





玄「 ありがとっ 」





りんごジュース。





「 りんごジュースって玄樹に似てるよね。笑 」





玄「 なにそれ。笑 」





ストローで思いっきりりんごジュースを吸う。





だって、甘くて酸っぱくて







あたしの恋みたい。

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