a piece of cake. Ⅰ (ページ6)

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「はぁ。もう、無理。どんなに考えても解決できない。なんでお世話になります？」

亮平『なになにー？どうしたの？誰かのお世話するの？笑笑。』

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独り言のつもりが…。

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「先輩…。」

亮平『阿部ちゃん先生が助けてあげましょうか？なんてったってあのAさんを一人前にしました阿部ちゃん先生ですよ？』

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たしかに、入社当時の私は本当に仕事できなくてコピー機何度も壊したり、同じパソコン操作間違えまくったりしましたけども。

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亮平『お世話になりますって誰に言われたんですかっ？』

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にこにこ、いや、にやにやしながら聞いてくる。

これは逃れられない。

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「他の人には言わないでください。昨日から我が家に男の子が住んでて…。」

亮平『え、男の子？迷子？親戚の子？』

「いえ、正確には男性です。」

亮平『はぁ？ますます分かんないんだけど。』

「私もわかりません。」

亮平『え、で、なんで？』

「分かりません。だから困ってるんですよ。」

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困ったような顔でそっかーっと呟く先輩。

まぁこんな何にもわからない後輩お手上げですよね…。

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亮平『そもそも彼氏いるって言ってたよね、A。』

「いやなんで知ってるんですか。」

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蓮のことはあまり周りには話さないようにしてる。

だって蓮にとって、私が足かせになるのだけは避けたいから。

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亮平『なんでも知ってるから。で、大丈夫なの？言ったの？』

「言うわけないじゃないですか…。」

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そういえば、言ってない。

昨日がわけわからなさすぎて言ってなかった…。
でもこれは言わないといけないよね。
久しぶりのデートでそんなこと言わないといけないのは正直気が重いけど。

別にやましいことじゃないもんね。

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亮平『ていうか、知らない男と一緒に一夜を過ごしたのやばいな笑。』

「その言い方やめてください。悪意ありますよ。」

亮平『いやないよ！』

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終始にやにやが止まってませんよ、阿部ちゃん先生。