a piece of cake. Ⅰ (ページ34)

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あ、これ、夢だ。

たまにみる夢。

いつも同じ場所。真っ白な霧の方にある誰かの後ろ姿。

少し先、本当手を伸ばせば届くはずの距離にいるんだけど
どうしても手に届かなくてっていう世界。

起きないと。

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目を開けると目の前に翔太さんの顔。

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翔太『おはよう。大丈夫？どっか痛い？うなされてたよ？』

「あ、おかえりなさい…。」

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寝ちゃってた。

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翔太『こんなとこで寝ちゃだめでしょ。』

「うん…。」

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起き上がろうとするけど肩と腰のあたりが少し痛い。

こんなところで翔太さん寝てるのか…。

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「翔太さんこんなとこで寝てたらつらいよね？」

翔太『うん？そんなことないけど？なに？一緒に寝よう？』

「いやそれはない。」

翔太『なんだ。じゃあここでいいわ。』

「なにそれ。」

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寝起きでぼんやりとした頭。

会話が続かない。

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「痛っ。」

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デコピンをされた。

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翔太『Aは自分の心配だけしてればいいんです。勝手に転がり込んできただけなんだから。そんなに軽くてどこに筋肉ついてるの？仕事できるの？笑。』

「う、うるさい。軽くないし、まず痛いし。」

翔太『ははっ。赤くなってるもん笑。』

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痛かったけど目が覚めたし
なんでか忘れたけど
中学生の頃、誰かにしょっちゅうデコピンされて赤くなってるって言われてたなー
なんて思いだしてほっこりした気持ちになった。

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翔太『明日仕事のあとでちょっと飲みに行く？』

「あ、いいかも久しぶりに居酒屋さんとか行きたいし、ちょっとしたおつまみ、つまみたい！」

翔太『じゃあ決まり～明日休みだからお仕事終わったら連絡して。
はい、これ追加しておいて。』

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そんな感じに今更同居人と連絡先を交換した。