a piece of cake. Ⅰ (ページ31)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:66,521 hit

30. ページ31

.

「もしもし？」

蓮『もしもしA？いま時間大丈夫？』

「え、うん。どうしたの？」

蓮『理由は特にないけどちょっと電話したくなって休憩入ったから電話しちゃった。』

.

なんでこんな少女漫画みたいな台詞をさらっと言えるのだろう…。

普通に嬉しいし、照れる。

.

蓮『どう？翔太くんとの生活。あ、そろそろでていきそう？笑。』

「いやまったくでていく気はないみたいで笑。」

蓮『それは困るねぇ。俺も一緒に住んじゃおうかなそこに。あ、それかAがうちに住む？』

「え？」

.

耳を疑う。

.

蓮『ん？』

「いやいや駄目だよ蓮はいますごく波に乗ってるし、わたしも蓮に見合う女になれてないし。翔太さんはたしかにお家探してもらわないと困るけど…！」

.

一瞬嬉しくなってしまった自分を脳内ではたく。

こういう甘い考えが蓮に迷惑をかけるんだから。

.

蓮『はは笑。やんわり断られた残念だなー。』

.

断ってないですなんならぜひお願いしたいところ。

.

「あ、それはそうとね？もしかするとお菓子大丈夫なのかもしれない。いや、分かんないんだけど昨日お菓子の香りがした時にすごくいい匂いって思ったの。」

蓮『え？』

.

沈黙が訪れた。

.

「あれ？聞こえてる？」

蓮『あごめんごめん。なんで？お菓子食べるようなところ行ったの？』

「いや、寝てる時にお菓子の香りだけしていい香りって思った気がするんだけど…。」

.

昨日貧血で倒れたことは言わない。蓮は絶対心配するもん。

でもまぁそうだよね。
今までお菓子からは散々逃げるようにして生きてきたから急に「大丈夫かも」は
そりゃびっくりするよね。

.

「でも寝てる時だから本当にお菓子の香りを嗅いだかは分からないし、本当に嗅いだとしてもいつどうしてそうなったかも分からない。
だって家にお菓子ないから笑。」

蓮『うんー。まあね。』

「でも克服できたら嬉しいかも。色んなもの食べられるようになるし、お友達とのお祝いも楽しめるもん。」

蓮『ははは笑。そうなったらお祝いのケーキも一緒に食べれるかもね。あ、やべ。もう行かないと。』

「そうなったら本当革命！」

蓮『こっちから電話かけたのにごめんね。また連絡するね。』

「うん。頑張ってね。電話ありがとう元気出た。」

蓮『よかった。じゃあまたね。』

.

こうやっていつも大したことない話するだけだけど、蓮は私に元気をくれる。昔からそう。