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今日に限って私はめちゃくちゃ忙しいらしい。
さっきから空気が最悪なデスク周りから早く逃げ出したいのに次から次へと積み重なる資料。
…これやってたら何時になるんだろ。
ダメダメ、うだうだ考える前に早く終わらせて帰ろう。
全ての資料を片付けて時計を見れば時刻は19時15分。
定時過ぎてるなあ…とはうっすら思ってたけどここまでとは流石に思ってなかった。
うん、早く帰って寝よう。
同じく大量の資料を押し付けられているであろう数人に声を掛けて足速に帰ることにした。
「遅い。」
「えっ!?」
びっくりした、心臓止まるかと思った。
その前に何でいるの?
「人を待たせたのにそれだけ?」
「すみません…。」
いや待っておかしいでしょ。何で私が謝ってるの。
待っててなんて一言も言ってないのに勝手に待ってたのはそっちじゃ…?
「家にいつまでも忘れ物されてると不快だから。」
本当にこの人は何なんだ。
「い、今渡してくれたらいいじゃないですか。」
「それは無理。」
何がしたいの…。
「ほら、帰るぞ。」
私の抵抗は無駄らしい。
仕方ないから後ろをついて行くことにした。
「隣歩いて、怖い。」
「夜道苦手なんですか?」
中島さんが立ち止まった。
そして呆れた顔で私を見る。
何も言わないけど心の中で私をめちゃくちゃ馬鹿にしていることだけは伝わってくる。
私、また変なこと言ったの?
「じゃあそういうことにして。」
ますます何なんだ。
「変なの。」
私の一言を聞くと、中島さんは微笑んだ。
初めて、馬鹿にしないような顔で。
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ゆい(プロフ) - 面白かったです!途中腕を組んでたのはそうゆう関係の人だったんでしょうか?いつから気になってたのか中島さん目線も知りたいです(๑>◡<๑) (2022年8月17日 4時) (レス) @page22 id: 69bd512447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りる | 作成日時:2022年5月15日 14時