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それらの違和感が、あの時の心の余裕だったのだ。
「なんか悲しいな」
大好きだったAはもう本当にいなかった。
あの夏の、祭りの夜に消えてしまったのだった。
意固地なって恥ずかしいがために
連絡を一切とらなかったこと。
とろうと思った頃には、何も残っていなかったこと。
誰も彼女の行く末を知らなかったこと。
俺の一つ一つの言動が
明るい彼女を守れたかもしれないと思うと
自分の不甲斐なさが目立って、何も出来ない自分が悔しくて目が熱くなる。
「A」
彼女が本当はどんな人で、何が好きでなんて
もう誰にも分からない。
なんの偶然か、今日は一年に一度の祭りで
遠くから聞こえる祭囃子の中を
暫く歩いて、お祭りの日にきた神社の鳥居をくぐった。
あぁ、懐かしい。
花火が2人の顔を疎らに照らしてドキドキがやまなくて
触れたくて、でも触れることは出来ない。
そんな距離感がもどかしかった。
「平井さん、ものすごくいい人じゃない」
「お喋りでもきっとあの人なら好きでいてくれてたと思うよ」
「もっと誰かに頼ろうよ」
今なら言える気がした。
ねえA、俺は
「あの夏、お喋りな君が好きでした」
そんな儚い恋は、花火の音に掻き消された。
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YUUKI(プロフ) - お話が終盤に向かっていくに連れて涙腺がゆるゆるになって最終的にガチ泣きしました。凄く切なくて、めちゃくちゃ面白かったです!! (8月3日 0時) (
レス) @page39 id: 856434f156 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - ずっとずっとお話の更新も楽しみで、大好きなんですけど、切なすぎて寂しいけれど、北斗の台詞が題名に繋がるところ、本当に素敵すぎます！ 兎に角好きでしかないですっ！ (7月5日 17時) (レス) @page36 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 切なすぎます……… (6月22日 12時) (レス) @page28 id: ff33edc1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾅﾅ | 作成日時：2023年5月27日 14時
