それが冷めきる前に (ページ7)

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状況がまだ上手く整理できないままひろのいる病室に入った

そこには沢山の機械に繋がれて眠るひろがいた

でもその寝顔はいつも朝、隣でみるもので

今にもおはようって目を擦りながら舌足らずに可愛く言いそうなのに

「...ひろ？」

本当に意識がないのか信じられず思わず声をかける

返事はなかった

「あのね、手を尽くしたんだけど思った以上に脳へのダメージが大きかったらしくて、今夜が山場だって...っ、」

後半は涙ぐみながら話すひろのお母さん

俺のせいだ、時間になってもこない俺を見兼ねてきっと駅まで俺を迎えに来ようとしてくれたんだ

それで、それで、ひろは...っ

「ごめんなさい、俺のせいです、ごめんなさい、ごめん、ひろ、ごめん...っ」

あの時遅れると電話をしておけばひろはカフェから出なかったはず

こんなにも過去の自分を憎んだのは初めてだった

「藤ヶ谷くんのせいじゃない、自分を責めないであげて、そんなんだと宏光が泣いちゃうわよ？」

泣きじゃくる俺の背中を擦りながら静かに涙を流すひろのお母さん

そう言われても俺は自分を責めるしかなかった