いつも一緒。 Yuto.N (ページ49)

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『行かないよ。用事があったの！』

なんだかムッとして、浮所君の人差し指をペシッと叩いてやった。

浮「いでっ！折れた！」

オーバーに指を押さえて痛がる浮所君を冷たく見下ろし、ふんっと鼻を鳴らす。

浮「何だよ。ノリ悪ぃな。
あっ！用事があったのって。……さてはそいつにふられたな！」

ニヤニヤしながら「俺の推理は当たったぁ」みたいにまた指を差すから腹が立つ。

浮「なんだよ。図星か」

ぐっ。

『図星で悪かったわね！』

また失礼な事を言われる前に帰ろうと歩き出す。

浮「おい。水森、ごめんって。冗談だから怒るなよ」

失礼な冗談に付き合ってられるほど暇じゃない。無視して歩き出すと後ろから浮所君が着いて来る。

浮「あれ？水森って駅使ってなかったっけ？何でこっちなの？」

……うるさいなぁ。

何で何でとしつこく聞いてくる浮所君。

『両親が仕事で一年居ないから、知り合いの所でお世話になってるの。
今日もその人とご飯の約束があったんだけど、急に予定が入ってキャンセルされちゃったの。分かった！？』

可能な限り早口で答えると、ゲラゲラ指を差してまた笑う。

浮「早口言葉じゃないんだから、ゆっくり喋ればいいじゃん」