10 ページ10
・
楓佳が暴れる…芝生をハイハイしたいのだろう…をなだめたくて。10分くらい楓佳を肩車しながら球場の中を散歩する。楓佳も楽しいのか、無邪気な笑い声になり、癒される。
僕やAに人見知りしなかったのも助かったし、高い所も怖くないのかな?あ、兄貴は僕より背が高いから、高さには慣れているのか。僕が肩車しているその光景を、義姉は撮っている。これもTwitter素材用に送られてきそう。
…知り合いのいない中で子育てをしなければならない、転勤族の兄貴と結婚した宿命でもあるんだけど。こうやって少しでも助けられるなら、鎌ヶ谷にもっと早く呼べばよかったと、少し後悔した。
義姉と楓佳を見送る時に少し楓佳がぐずったのも、僕的には嬉しい事だと思っていいのかな。また遊びにおいでって話したら、義姉に『さっさと1軍戻って、東京ドームね』と呆れられる。…まぁ、鎌ヶ谷に呼ぶのは確かに微妙だけど。
Aもファーストピッチなんて大舞台に立ったから、疲れているかな?家に早めに帰って、ゆっくり休ませたいと思って、球場裏で片づけをしていたスタッフに、Aを球団事務所に案内してもらい、カビーとチャスさんと一緒にいてもらう事にした。
僕はファン対応をしてから寮に入る。マッサージを受けながら遥輝にLineを送った。
yu-yaとんでもないサプライズだった。あれを試合前にするのは反則だって!
明日だけど、僕も札幌に戻ろうと思ってたから、Aと一緒に帰りたいんだ。そっちの予定ではどうしようとしていたか教えて。
あと、僕が1軍だった時に神宮で何をしようとしていたかは知りたい。ビジター球団の関係者…家族が始球式なんて、向こう側のファンが納得いかないだろ?
マッサージが終わり、シャワーを浴びて着替えをし、Aを迎えに事務所に戻る。
F64:A、お待たせ。帰ろう。
A:私、ゆうやさんに食事作りたいな。時間的に豪華なものはできないけれど…。
F64:Aのごはん久しぶり!すっごく楽しみ。スーパー寄って帰ろう。
A:ゆうやさん、移動はどうしてるの?
F64:寮生に車を借りて家との往復に使ってる。今週は拓也のを借りてるんだ。
さ、カビーとチャスさんに挨拶して帰ろう。
A:うん。
カビーちゃん、チャスさん、スタッフの皆さん、お世話になりました。
チャス:ファーストピッチよかったです。今度は札幌ドームでしてください。
A:え?そ、それは…無理ですっ!
36人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梨瑠(Riru) | 作成日時:2018年9月16日 4時