聴きたい、感じたい。 No.15 (ページ29)

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F64：Aは自分が何もできないって言うけど。たくさんの事ができるのに、どうしてそんな事言うの？

A：お姉ちゃんがいないと、何もできないもん。料理も、掃除も、洗濯も、身の回りの片付けも、買い物も…。全部独りでできないもん！

F64：僕も一緒にする。協力すればできる事は、なんでもする。それが夫婦だから。Aは、独りじゃない。
　A、他の人がどう考えているかではなく。A自身はどう思っているの？

A：…ゆうやさんと…一緒にいても…いいの？私が…何もできなくても…？

F64：僕はAと一緒にいたい。今年は少しの間離れてしまうけれど、僕の未来は、ずっとAと一緒。これが僕の、いちばんの願い。僕のこの願いは、A以外に叶えられる人はいない。
　僕の願い、叶えてくれる？

A：…本当に…私でいいの？

F64：もちろん！約束して、突然僕の前からいなくなったりしないって。

A：…うん…。

F64：明日…もう時間的には今日だけど、何をしたいか教えて？ホテルを出て、そのまま空港に向かっても、時間が余ってしまう。行きたい所でも、欲しいものでも、食べたいものでもいい。
　遥輝と結衣さんは2人にしてあげたいなって考えている。2人がどう考えているか、まだ聞いていないけれど。

A：…ゆうやさんと一緒に過ごせたら、それだけで嬉しいの…。
　お姉ちゃんたちの邪魔はしたくないけど、お姉ちゃんを助けたい…。重いものを持ったりしか私にはできないけれど…。それなら私にもできるもん…。

F64：起きたら2人にLineしよう。さ、もう寝よう。明日は飛行機だから、体調整えておかないと。
　ずっと、ぎゅって抱きしめているから。もうおやすみ、A。

A：うん…。ゆうやさん、おやすみなさい。

目を閉じて。そっとkissをしてから、胸に抱きしめて眠る。
ほどなくして、Aからは規則正しい寝息が聴こえてくる。

A…。

本当は僕は、君と離れたくない。だけど君が『見えるようになりたい』と願うから、その夢をかなえたい。
君にはいつでも笑って欲しいから。一緒に過ごせないのは辛いけれど、笑顔で送り出そうって決めた。

こうやって抱きしめて眠るのは、しばらくできない事。
この温もりを手放して、シーズンオフまで3ヶ月半、日本で僕は頑張らないといけない。
Aも頑張って、異国で過ごすのだから…。

A、愛している。
僕たちの明るい未来のために、今だけは別れを選ぼう。
　