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扉の前でもう一度室内に向かって礼をした、A。僕はAの手を引いて部屋を出て、紫音ちゃんにその手を渡す。
そのまま、建物の入口まで話をしながら歩く事に。
F64：紫音ちゃん、待たせてごめんなさい。Aの事、よろしくお願いします。
紫音：はい。谷口選手と一緒だと、Aちゃんの表情が違いますね。
私もアリゾナに来て、いい経験になりました。本当にありがとうございました。きっと明日はお礼も言えないと思うので…この場で言わせてください。
F64：いつもAを助けてくれて、本当にありがとう。これからもずっと、Aの親友でいてください。
オープン戦のチケット、僕たちが沖縄に戻ったら球団職員に手配させ、Aの家に届けるように伝えます。試合終了後、Aと一緒に普段できない体験をしましょう。
A＆紫音：えっ？
F64：まだ構想段階だから、何が起こるかは内緒。Aはひとつ知っているけど。
A：ゆうやさん！はるきさんが提案しそうになったら、絶対にとめてください！
F64：僕もやりたいから、聞かなーい。まだ許可はとってないけれど、叶えたい。楽しみにしていて。
A：怖いよ…。楽しみじゃないもん…。
F64：試合、楽しみにしてほしいな。前に客席座った試合、Aの誕生日でしょ？半年近く前の話。
もう入口に着いちゃった。時間が経つのが早いや。今日はもう会えないなんて。
A、紫音ちゃん。明日は普段対戦のない、違う国のチームとの試合。今日の紅白戦よりも、ピッチャーは特に真剣勝負が見られる。ゆっくり休んで、また明日。
2人の事、よろしくお願いします。
通訳：はい。責任持ってお送りします。
僕はAの頬に手をあて、軽く撫でる。明日はきっと触れられないから…しばらく僕を感じてもらえない。だが、通訳と紫音ちゃんの前でkissなんかしたら、すねられるだろう。
3人が扉を開け、閉まったのを確認して、僕は監督室へ戻った。
監督室に再び入り、僕、遥輝、翔平、一平さん、監督の5人が揃う。
僕がいない間に、遥輝はどこまで話をしたかな。
F64：お待たせしました。遥輝、水面下の話はどこまでした？
F7：ん？何も言ってない。俺と結衣の事を根掘り葉掘り…だったから。雄也、詳しく話したんだってな。よくそれAちゃんの前で言えたな。
F64：ロスの話は遥輝来てからと思ってたから。
監督、一平さん、翔平。ここからが本題です。Aが知らない事を説明します。
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作者名：梨瑠(Riru) | 作成日時：2018年8月7日 22時
