2-3 ページ20
・
3塁コーチにレガースとバッティンググローブなどを預けた際に、軽く会話をする。
コ:打った球、どんな感じだった?
F64:純粋なストレートではないです。縦に動いた感じがしました。
コ:よく対応できたな。去年までの雄也なら厳しかっただろう。
F64:そうですね。同じような球を自主トレで打てたからだと思います。
コ:後でその話、詳しく聞きたい。
さぁ、犠牲フライでも何でもいいから、お前もホームに帰れ!
次のバッターの剛は三振に倒れ、近ちゃんが打席に立つ。2球目を外野フライにする。僕はタッチアップからホームに滑り込む。貴重な3点目が入った。
近ちゃんとハイタッチした後にベンチに座り、近ちゃんと剛と会話をする。
F8:あのピッチャー、日本であんなボール投げる人見た事がない。ミートした感触だったのに、高くあがるだけで思ったより飛ばなかった。僕は初めてでしたけど、雄也さんは?
F64:今年の自主トレで、同じようなのを20球くらい打ったし、投げるのはずっと見ていたから。
F12:自主トレで打った?
そこに、栗山監督が話に入ってきた。
栗山:雄也、ナイスバッティング。で、遥輝の読みは当たったのか?
F64:はい。あの言葉がないと、本当の投球を見るまで気づいていなかった。1球目から意識できたのは大きかったです。
栗山:うちに就職しないか?通訳も兼任でお願いしたい。本気で考えてと伝えてほしい。
F64:僕から伝えるのは構わないんですが、本人にその意思があるかといえば難しいでしょう。自らの評価は、本当に低いですから。
剛と近ちゃんが小声で話しているのが聴こえた。
F12:うちに、誰が就職するんだ…?
F8:さぁ…。俺もわからん…。
7回表、直也がマウンドに立つと、スタンドから直也を応援する、Aと紫音ちゃんの声が聴こえる。
紫音&A:石川さーん、がんばれー!
その声援に支えられた直也は、3者連続三振できっちり抑える。
7回裏は、先の回に投げた左腕が立つ。ファイターズも5番から7番の3人が、3者連続三振。
僕以外の6人が、左右打者関係なく抑えられたのを不思議そうに見ているコーチ陣。
8回表、鍵谷さんがマウンドに立つ。1アウトの後、僕の頭の上を超えて、バックスクリーンにソロホームランを打たれた。残りの2アウトは内野ゴロで仕留めて、スコアは3対1に変わった。
8回裏、ピッチャーが右に変わった。優心が四球を選び、拳士さんが送りバント。1アウト2塁で僕にまわってきた。
27人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梨瑠(Riru) | 作成日時:2018年8月7日 22時