アリゾナキャンプ 3日目 1-1 ページ14
(A side)
アリゾナキャンプ見学3日目。ここでゆうやさんを感じられる、最後の日。
球場を出て空港に直行するため、ホテルを出る時には大きな荷物と一緒。
午後から韓国チームとの試合がある。石川さんが投げる事はゆうやさんが教えてくれたから、右ピッチャーの顔が見えそうな位置、3塁側に座ることにした。
お昼ごはんのかわりに紫音ちゃんと2人でクッキーを食べながら、試合が始まるのを待っていると。
F7：おっ、旨そうなの食べてる。いちまいちょーだい！
A：は、はるき…さん…？
F7：俺、今日試合出ないんだ。だからここで観戦させて。実況解説できるし。
A：で、でも…。
F7：このあたりにいる日本人は、雄也との関係知ってるんでしょ？
皆さーん、俺の実況解説聴いてもいいけど、SNSに書いたらダメだからねー！
周囲の人：はーい！
F7：俺の写真は撮ってもいいけど、動画と音声と、この子たちが映るようには撮らないでねー！
周囲の人：はーい！
F7：グラウンド整備の時と試合終わってからサイン書きます。ただし、ひとり1枚！それ以外は試合見てねー！
人1：遥輝がサイン書いてくれるって！
人2：超貴重品！
人3：出発時間までに試合終わるかな…。
F7：ね？大丈夫でしょ？2人とも安心して。
ちなみに俺がここにいるのは、雄也からの依頼。今日センターでフル出場なんだ。自分はきっと、2人が帰る時に見送る事もできないって言ってた。
それとこれは、俺からのプレゼント。荷物になるけど、日本に持って帰って。
A：硬式ボール？サイン入りとか言わないですよね？
F7：それには書いてない。そのボールは練習用。オープン戦の対決まで練習しといて？
A：はるきさん…まさか？！
F7：昨日あのあと、監督の許可とったから。北海道帰るのが楽しみだ！
そうそう。君も練習しといて？
紫音：えっ、私？野球…した事ない…。
F7：ピアノ弾くんだって？雄也が球場演出で使っていたピアノ、使わせてくれるように頼んでいた。まだ決定ではないけれど、練習していて損はない！
紫音：札幌ドームでピアノ？し、信じられない…。
A：ゆうやさんとはるきさん、考えることが大胆…。
F7：俺らにはいちばんの誉め言葉をありがと！
私は小さな声で、つぶやいた
A：ほめてないのに…。
紫音：野球選手って考え方が特殊だね…。
紫音ちゃんも札幌ドームでピアノを弾くなんて、考えたことないよね…。
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作者名：梨瑠(Riru) | 作成日時：2018年8月7日 22時
