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(F64 side)
球場の駐車場に着いた僕たち。車は入口から遠く、まわりに車のない所に停めた。
Aが車から降りると、走って近づく女の子。あの子が、あやちゃんかな？
僕も、車の外へ出る事にした。
彩海：Aちゃん！
A：あやちゃん！…えっと…。
彩海：大丈夫、私知ってる。
きゅんさん。外で話すよりも、車の中が安全だと思うのですが、乗せていただいてもいいですか？
F64：後ろどうぞ、Aも後ろに。
高校生ってAには聞いていたけれど、気配りが強い子かな。
2人が後部座席に座ったのを確認し、僕も車に乗って、後ろを見て挨拶する。
F64：はじめまして、谷口雄也です。選手呼びと『きゅん』はやめてほしい。
彩海：はじめまして、Aちゃん家の隣に住んでいます、あやみ、です。高校3年です。
A：私があやちゃん紹介するって思ったのに。自分で言っちゃダメだよ…。
彩海：顔真っ赤のAちゃん待ってたら、話進まないって。
出会ったきっかけは後でAちゃんから聞きますが、谷口さん。Aちゃんは自然が大好きです。花畑とか連れていってあげて下さい。花なんて、Aちゃんには意味がないと考えないで下さい。花は色だけではなくて、匂いも音もあるから…。
Aは自然が大好き…か。もっと自然に触れさせたい…。もっと輝く笑顔が見られるかな。
F64：あやみちゃん、アドバイスありがとう。先ほどモエレ沼公園に行きました。Aのいい表情が見られて、僕も元気出ました。
彩海：Aちゃんの事わかってますね。忙しいお仕事なのはわかっています。でもAちゃんの事、大切にして下さい。
…いい人に出会えてよかったね、Aちゃん。
A：うん…。
あやちゃん、ゆうやさんに、みどり君の練習見てもらえたらって思ったの。試合は見てもらえないけど…。今、何かやってるの？
彩海：打撃と守備練は終わって休憩してたよ。試合開始まであと1時間、そろそろ肩作るかな。
谷口さん、ブルペン行きましょう。球場で並んで歩くのはダメだから、後ろからきて下さい。
ブルペンへ向かうAとあやみちゃん。少し離れた所から追いかける僕。
Aの親友に会えて良かった。Aの笑顔が自然でよかった…。
ブルペンに着くと、立ち投げをしているみどり君。全体的にミニサイズだが、立ち方は入団した頃の翔平によく似ている。
翠：りるねーちゃ！応援来てくれてありがと。
…って、ええっ？
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作者名：梨瑠(Riru) | 作成日時：2018年1月22日 13時
