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(F64 side)


僕たちがいた、水と石の広場。
ここでAから聞いた話、僕は嬉しかった。やっとAが僕に悩みを話してくれた…って。
少しでも僕が、Aに道を示せたのかな…って。


次に目指したのは、海の噴水。
そろそろ、噴水が動く時間。
Aが聴きたかった水の音が、聴こえるかなって思って。



A:ゆうやさん。次はどこに向かってるの?

F64:大きな噴水。夏は1日4回、1回15分間動くって書いてある。あと5分くらいで始まるから。
 僕も、ちょっと楽しみにしてる。

A:水飛沫とか感じるのかな?でも危ないから近づけないようになってるかな…。
 楽しみです!



そうしてたどり着いた噴水。まわりを取り囲むように、そこそこの人がいた。
僕に気づく人がいないといいな、と思いながら、噴水のショーが始まるのを待っていた。


わーーーーーー。


噴水のショーが始まると聞こえる歓声。
でも、その声のせいで、水の音はほとんど聴こえない。

うーん。僕は目でも楽しめるけど、Aには微妙かな。



F64:こうなると思ってなかった。A、楽しめないよね?

A:…すごいんだろうな、というのは伝わってくるけど…。
 ごめんなさい、わがまま言って。

F64:そんなの、わがままじゃない。もっと、Aのやりたい事、僕に教えて?
 とりあえず、ここ離れよっか。

A:ゆうやさん、時間大丈夫?あとどのくらい、一緒に過ごせますか?

F64:Aを球場まで送っていく時間を考えたら、ここには30分ちょっとかな。
 球場までの時間が20分くらいかかるけど、街の中だから少し余裕あるようにとは考えてる。

A:球場に移動しませんか?ゆうやさんにも、みどり君が練習しているところ、見てほしい。
 でも…やっぱり大変かな、ゆうやさんが行くと…。

F64:みどり君の野球は、一度見たかった。あの子は、そこまでの選手じゃないって言ってたけど、違うと感じた。そうじゃないと、キャッチャー以外全部なんて、あんな自信もって言えないから。
 あと、僕が球場行っても大丈夫。僕らが守らなければならないルールがあって、中学高校の硬式野球は、教えたりするのはダメなんだ。そっと見に行くのはいいんだけどね。だから、関係者が僕を見つけても話す事はないから。安心して。行こう!



そう決めて、僕らはゆっくり散歩しながら車に戻る。
みどり君の野球、中学硬式野球クラブチームが集まる大会の決勝戦が行われる球場へ向かうために。
 

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作者名:梨瑠(Riru) | 作成日時:2018年1月22日 13時

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