聴きたい、感じたい。 No.2

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僕は、今思っている事を、すべて話した。
Aはびっくりした表情をしているけれど、僕は大丈夫だよの想いも込めて、握っていた手に少し力を入れた。


母：ありがとうございます。貴方のような方とAが出会えるなんて、本当にAは幸せですね。
　もうひとつ質問させてください。谷口さんは、Aが見えないままでも、Aの事を想ってくれますか？

F64：もちろんです。見える事、見えない事で、僕の想いは変わりません。
　でも、忘れそうになる時はあります。Aさんは、こんな綺麗な目をしているのに光を映さない、という事を。そのくらいAさんは自然なんです。
　僕が初めてAさんを見つけたのは、札幌ドームで、選手と、お客さんでした。最初はもちろん、見えない事は知りませんでした。それでも、Aさんに惹かれました。
　僕たちの職は、普通のサラリーマンとは違います。休みもあるようでないですし、1年の半分は札幌にいません。僕とAさんが一緒にいることによって、Aさんが攻撃される…なんてことも、この先あるかもしれません。
　Aさんは大学生ですので、すぐにという訳にはいかないですけど。僕の気持ちとしては、すぐにでも、Aさんと共に歩みたいと思っています。

A：えっ…？


Aが赤くなっていくのがわかる。手も暖かくなって…ほんと可愛い。


F64：僕の気持ちは、この場を借りてきちんと伝えたかった。まだ出会って2ヶ月あまりの僕らですが、認めてください。よろしくお願いします。

母：認めるもなにも…。こちらこそ、Aの事をよろしくお願いします。
　A、こっちに来て？抱きしめさせて？


Aが僕の手を離して、お母さんの元へ行くと、Aを一度抱きしめて。そうして離れて、Aの目を見つめて言葉をかけた。


母：Undergo surgery. For your future.


流石ＣＡさん、綺麗な英語。僕には意味わからないけど。


A：Don't want to deprive my sister of happiness!
　Not undergo surgery! Won't go America!


早口な英語で返したA。怒ってる？
それと、僕と遥輝も聞き取れた、アメリカという言葉。


F64＆F7：アメリカ？


慌てて手で口を塞ぐA。そんな事しても遅いよ？


A：ゆうやさん…、はるきさん…。今の忘れて…。

F64：忘れられない。A、僕たちに隠さないで？


A、唐突にアメリカって言われても、わからないよ？教えて？
　

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