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どうしても、僕と遥輝に伝えたかった事?
僕と遥輝は、お互い顔を見合わせた。
交際を反対される、という事ではなさそうで安心したけど…。


母:Aは、生まれつきではないですが、目が不自由です。でも、こんなに真っ直ぐ、元気に育ってくれました。それは、結衣が一生懸命、私と主人の変わりをしてくれたからです。
 私と主人は仕事に集中するあまり、2人に寂しい想いをさせていると思っています。特に結衣には、家の事だけではなく、Aの保護者まで任せてしまいました。気の休まる暇なんて、一瞬もない生活をさせてしまいました。
 西川さん。結衣は、Aを最優先に考えるようになっていて、自分の願いは言わないでしょう。どうか、結衣が本音を言える、唯一の存在になって下さい。

F7:精一杯の事を結衣さんにして、一緒に幸せになりたいです。
 僕たちの職で悩ませることも、多々あると思います。それでも僕は、結衣さんと結婚前提のお付き合いを望んでいます。好きだと伝えて、たった2週間の自分が言える事ではないかもしれませんが。これからも、よろしくお願いします。

母:谷口さん。Aが今回、何がしたくて検査を受けていたかはご存知ですか?

F64:はい、Aさんから聞きました。

母:その件について、貴方の正直な意見を聞かせてください。
 Aがこの主張をしたのは、実は今回が初めてです。貴方がAの考えに影響を及ぼしたことは、容易に想像できます。

F64:…はい。
 ある日Aさんに、大学卒業後の進路をどうしたらいいのかわからない、と相談されました。その時僕はAさんに「夢は何?」と聞きました。その答えが『1%でも確率があるなら、見えるようになりたい』でした。
 僕は、見えるようになったら、Aさんはやりたいことがあるんだ、と感じました。それがAさんの、本当の夢だと思います。僕はその夢が叶うように、応援したいと思っています。
 でも、僕はこうも思っています。夢は諦めてほしくないけれど、それよりも守らなければならないものがある、と。

A:ゆうや…さん…?

F64:Aさんの心です。辛い思いはしてほしくない。いつでも心から笑ってほしい。
 夢を叶える方法が見つかったとしても、大きな手術などが必要になるでしょう。それが命と引き換えになるようなものであれば、僕は受けてほしくないです。
 Aさんが僕の前からいなくなる。そんな事は考えたくありません。
 

3→←緊張の対面、そして… 1



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作者名:梨瑠(Riru) | 作成日時:2018年1月22日 13時

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