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退院の日 1 ページ22

(A side)


入院11日目、土曜日。
今日は、朝からお母さんとお姉ちゃんが病室来てくれた。
お母さんと会うのは1年半ぶり。でも、ぎゅっとしてくれるだけで安心して、ポロポロ泣いてしまった…。


母:A、入院と検査、頑張ったね。見違えるくらいに可愛くなった。…恋してる?


私は、真っ赤になりながら、こくんと頷いた。


母:お付き合いはしてるの?

A:…2か月前から…。

母:その人に、今週末会える?お母さん会いたいわ。

A:今週は北海道にいなくて、月曜のお昼には札幌戻るって聞いた…。

母:あら残念。お母さん、月曜12時の飛行機乗って東京戻るから、会えなさそうね。

A:12時に飛行機乗るの?彼も飛行機だから、空港で会えるかも。到着時間聞いてみるね。

母:あら、楽しみ!結衣は会った事あるの?

結衣:お会いしたのは3回かしら。誠実ですごくいい人よ。

母:それにしても、あなたも綺麗になったわね。…恋してる?

結衣:実は、Aの彼の親友と、私も2週間前からお付き合いさせてもらってます。

母:あら?結衣もなの?Aは結衣のお相手に会った?

A:4人で食事行ったよ。私と彼で、お姉ちゃんたちの恋応援したんだよ!

母:まぁ。ふたりとも幸せなのね。そして楽しそう。よかったわ。


コンコン
看護師さんが、先生の準備できたので、と呼びに来た。
…検査結果と、アメリカの話が聞かされる…。



(結城先生の診察室)


結城:Aちゃんの検査結果と、今後のお話について、ご説明します。
 結論から言うと、現在の日本の医療技術では、Aちゃんの視力を取り戻す事は、前例がなく、難しいと思われます。
 臓器…眼球と角膜を移植する方法もありますが、成功例も少なく、確実に見えるという保証はありません。また、他人の臓器という点で、合併症などのリスクもあります。

母:やはり、日本では無理…という事ですね。

結城:そこで考えたのが、アメリカの医療です。
 Aちゃんには検査前に話をしましたが、最高な医療は、アメリカの方が日本より格段に上です。そこで今回、アメリカで手術が可能なのか、簡易的な検査をしました。
 Aちゃんには5日間連続で、ある機械をつけてもらいました。その検査結果を、アメリカの先生に送りました。
 その先生の回答によると、完全成功した例は少ないが、手術は可能との事です。
 ただし、それにはリスクも大きいです。

結衣:リスク…?

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作者名:梨瑠(Riru) | 作成日時:2018年1月22日 13時

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