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みどり君は、僕にすぐ気づいた。
硬式野球をする中高生への指導が禁止の僕は、目で礼だけをする。
ルールがわかっているみどり君も、驚いた顔をしたけど、僕の目だけ見て真剣な顔に戻った。
みどり君がキャッチャーを座らせた。本気の投球見せてくれるんだね。
翠：ストレート！
しゅっ！パン！
球が速い。中学2年でこのスピードはすごい…。
翠：チェンジ！その次カーブ！
しゅっ！…パン！
しゅっ！…パン！
翠：ツーシーム、最後フォーク！
しゅっ！パン！
しゅっ！とん、コロコロ。
あ、フォークは手前でワンバウンドした。
捕手：フォークは来年からって言われただろうが！ちゃんと守れ！
翠：練習させて下さいって、ゆう先輩。
捕手：試合前にやる事じゃない！今日はストレートが良かったな。
先輩に怒られても、僕に見せたくてフォーク投げてくれたんだ。ありがとう、みどり君。
本当に、君は翔平を目指せるよ…がんばれ！
A：みどり君、いい音だったよ。あやちゃんにボール投げて？
翠：いいけど…。
あやねー、グローブ持ってる？
彩海：もちろん。いいよー。
ボールはあやみちゃんが持つグローブに。そのボールをAに渡す。
えっ？！Aが投げるの？
A：みどり君いくよー。
翠：ここブルペンだから遠投ダメ！
A：わかってるよ！大フライいきますー。
翠：天井あるからもっとダメだって…おっとっと！
パン！
A：取れた？もう1回！
翠：あやねー、いくよー！
すとん！
彩海：はいAちゃん！
A：今度はワンバンね！
翠：りるねーちゃのワンバン、どこ飛ぶかわからんから、マジきつい…。
A：いくよー！
バン！
翠：わっ！予想と逆いった！
Aと、お隣に住む姉弟との関係が少し見えた。
Aが見えない子とかは関係なくて、一緒に遊べた仲間なんだ。
Aがボールを持ったら、活き活きしてる。
本人はまだ気づいていないようだけど、『見えるようになったらやりたい事』は、野球かもしれないな。
僕もAとキャッチボールがしたい。
僕にも新しい夢ができた。ありがとう、A。
yu-yaりる、今日は楽しかった
yu-yaみどり君と、あやみちゃんと、りるのキャッチボール、楽しそうだったね
みどり君と、あやみちゃんにも、今日はありがとうって伝えて
yu-yaそろそろ空港行くね。行ってきます
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作者名：梨瑠(Riru) | 作成日時：2018年1月22日 13時
