38 ページ38
Sideみっちゃん
一夜にして自分を取り巻く状況がガラッと変わる。
そんなお伽噺みたいなこと自分には起こるわけないと思っとった。そう…今日までは。
「お！色男のお出ましばい！」
「ほんとや！」
「っだぁ〜！やけん！違うって言いようやろ？！」
今日何回目かわからん声をあげながら俺はドンっとビールケースを置いた。
居酒屋・こうのの大将である徳さんはにやにやしながらタバコをくゆらせる。
「聞いたぞ〜？えらいべっぴんさんと一緒に住んどるって？」
「それには色々理由があって」
「よかよか！みっちゃんもすみにおけんね〜！」
「いや、やけん！」
徳さんとは同級生の井上さんもにやにやしながら口を挟む。
「ていうか、まだ店あいとらんのんに何で井上さんは飲みようと？」
「酒の方が飲んでくれって言うもんやけさ〜！」
「またそげなこと言って。」
鼻の頭が赤くなっとるばい？
「で？結納はいつね？」
「〜結納やらせん！」
「アハハハハ！」
おじちゃん達は俺の叫びなんかどこ吹く風で大笑い。
みんな全然人の話聞かんのやけん！
「Aちゃんとはそーゆーんやないの！」
「そげ言ってもみっちゃんも結婚したいんやろ？」
「そら、結婚はしたいけど…こげな男のとこに来てくれる人なんかおらんめぇもん。もういいと！」
「あんたといいひろくんといい…男らしくガッといかんか！」
「そうたい！ま、うちは母ちゃんからガッとこられたんやけどな！」
「恵子ちゃんからこられたら逃げられるわけなかねー！」
「みっちゃんもガッといってみ！せっかく近くに良い人がおるんやけん！」
「やけん、Aちゃんとはそーゆーんやないの！」
「あげ若かべっぴんさんと一つ屋根の下におってから何もないわけないやろ！」
「べっぴんさんって…あんたAちゃんのこと知らんめぇもん。」
「ヤスさんから聞いたばい。」
「ヤスさんって…井上さん！あんたがいいふらかしよったとね？！」
今日は朝から行くところ行くところでからかわれると思ったら…！
「俺は事実を言っただけくさ。みんなもわくわく祭りに来たら、あのべっぴんさんに会えとったんにな〜。」
「惜しいことしたわ。孫やらおらんけど行けばよかった！」
「なんせ、みっちゃんの未来の嫁さんやかけな！」
「アハハハハハ！」
「やけん！違うって言いよろうがー！」
もう知らん！と伝票を投げつけて店を出うとした俺を井上さんが呼び止めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆kon☆(プロフ) - 蒲公英さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉の数々に泣きそうです(/ω＼)まだまだワクワクドキドキして頂けるよう頑張りますので、変わらず応援して頂けると嬉しいです！！ (2020年7月18日 23時) (
レス) id: 8e45766978 (このIDを非表示/違反報告)
蒲公英(プロフ) - いつもお話を楽しみにしております！夢主ちゃんと一緒になって笑ったりどきどきしたりはらはらしたりして、とっても大好きなお話です！いつもありがとうございます！これからも応援しています！これからどうなっていくのかとってもわくわくです！ (2020年7月18日 18時) (レス) id: 82e4cd4c6f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kon | 作成日時：2019年7月13日 10時
