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「っ？！」
ガバッ！
「…はぁっ…ぁっ…！」
弾かれたように飛び起きたそこは厨房じゃなくて暗い部屋で…
肩で息をしながら辺りを見回す。
荷物を詰め込んだ段ボール、ローテーブル、パソコン、新築の匂い。
「っ…！」
音が聞こえるんじゃないかと思うくらい脈打つ心臓が痛い。
額にはりつく髪の毛や汗を吸い込んだパジャマが、悪夢の残り香みたいにべったりまとわりつく。
「はぁ…」
久しぶりに見た…。
前髪をかきあげてグッと奥歯を噛み締めた。
オーセンティックを辞めてから何度となく見た夢。
厨房に立ってるのにオーダーも調理器具の場所も食材の場所もわからなくて、ただただ焦って立ち尽くす私に飛ぶ怒号。
慌ただしさも声も匂いもまるで現実なんじゃないかと思う程リアルで嫌になる。
いや…リアルに決まってるか。
あそこにいた時、私は毎日あぁだったんだから。
緊張して、焦って、体が動かなくなって、怒られて…負のループの中で息をひそめてた。
毎日毎日自分はダメな奴なんだと突き付けられて、そんな自分が嫌で憎くて責めて責めて…
「……」
体育座りの状態で抱きしめた体は自分のとは思えないくらい冷たい。
大丈夫。もう怖くない。大丈夫やから。
冷え切った指先の震えを振り払うようにパジャマをギュッと握りしめた。
大丈夫。大丈夫。
カーテンの隙間から朝日が差し込んでも、私は自分の体を抱きしめていた。
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☆kon☆(プロフ) - 蒲公英さん» いつもコメントをありがとうございます！こんなしがない小説を楽しんでいただき、また嬉しい感想まで本当にありがとうございます(*^▽^*)きっと絶叫はあのシーンでしょう（笑）一生懸命更新していきますので、今後もお付き合いいただけると嬉しいです☆ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 8e45766978 (このIDを非表示/違反報告)
蒲公英(プロフ) - いつも素敵なお話を本当にありがとうございます！涙したり、嬉しくなったり、絶叫したり…どきどきわくわくが止まらず、とっても楽しいです！あの御方達がゲストで登場だなんて！素敵さがますます加速していくお話にこれからも目が離せません！大好きです！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: 82e4cd4c6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kon | 作成日時：2020年12月31日 0時
