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Sideみっちゃん
辛口が好きだという川西は、日本酒を飲む仕草までキレイやった。
「九州の酒はやっぱうまいですね。ここは卸売りを？」
「そうたい。商店街のみんなの好きなもんを主に取り扱っとる。」
「地域密着型の酒屋で角打ちか…」
ぐるりと店内を見回す視線に遠慮なんてかけらもない。
川西の振る舞い一つ一つに「あんたはこんなもんですか」って言われとる気がするのは卑屈すぎ？
「A、酒強いでしょ？出会ったばっかの頃、『自分より酒の強い人やないと付き合わん！』って言われて…それからどうにかして鍛えたなぁ。もともと酒はそんなに弱い方ちゃいましたけど、おかげ様で今では…あ、Aから聞いてます？俺達、昔」
「付き合っとったんやろ。」
「何や知ってたんか。」って面白くなさそうに放って川西は続けた。
「あいつは俺の友達が連れて来た後輩やった。初めて会った時はまだ九州の訛りもぬけてへんおぼこい子やったな〜。」
川西が初めて会った時…きっとAちゃんが福岡を出て広い世界に飛び出した頃や。
「Aは調理の専門学校通っとったんですわ。いつか絶対自分の店持って、たくさんの人に料理食べてもらいたい！ってずっと言っとった。学校通いながらバイトして、稼いだ金は調理器具とか料理の研究に使ってしもて…周りがやれオシャレや、やれコンパやってやってる時もあいつはいつも未来を見とった。そういう真っ直ぐなとこが俺にはえらいまぶしかった。」
どこか遠くを見るその目は優しくて、Aちゃんとの日々が温かい時間だったことを物語る。
「あいつ、目が離せないでしょ？強気なくせにどっか抜けてて、人の気持ちには敏感なのに自分のことは鈍感で…頑張り屋やけど頑張りすぎる時もあって…」
「確かに、目が離せん。」
気がついたら目で追って、遠くに行かんでほしいって思っとった。
それに気づくきっかけになったのがこいつやなんて皮肉なもんやな。
「Aは東京に来ます。」
川西は真っ直ぐ俺を見て言った。
「これは今のあいつにとってまたとないチャンスや。そんなことAだってわかってるはず…やらへん理由はない。違いますか？」
「…Aちゃんはまだ決めとらんって言っとった。」
喉の奥で引っかかった言葉はかすれて、枯葉みたいにガサガサや。
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☆kon☆(プロフ) - 蒲公英さん» いつもコメントをありがとうございます！こんなしがない小説を楽しんでいただき、また嬉しい感想まで本当にありがとうございます(*^▽^*)きっと絶叫はあのシーンでしょう（笑）一生懸命更新していきますので、今後もお付き合いいただけると嬉しいです☆ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 8e45766978 (このIDを非表示/違反報告)
蒲公英(プロフ) - いつも素敵なお話を本当にありがとうございます！涙したり、嬉しくなったり、絶叫したり…どきどきわくわくが止まらず、とっても楽しいです！あの御方達がゲストで登場だなんて！素敵さがますます加速していくお話にこれからも目が離せません！大好きです！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: 82e4cd4c6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kon | 作成日時：2020年12月31日 0時
