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Side先生
「ひろ兄」
時計がちょうど9時を指した時、Aちゃんは遠慮がちに声をかけてきた。
「ごめん、待った？」
「いや、今来たとこ。」
なんてベタなやりとりさえ嬉しくて、にやけそうになる口元をそっと手で覆う。
いかん。これは想像以上ばい。
待ち合わせだけでこんなに浮かれて、自分の中の青臭い部分に苦笑いしてしまいそうや。
「…何？」
「いや、おめかししてくれたんやね。」
瞬間、火がついたように赤くなるAちゃん。
普段はパンツスタイルなんに、今日はスカートはいてくれたんや。
髪型もいつもと少し違うよね？
ピアスもきらきら光ってかわいいばい。
「や、やっぱり変やんね！着替えてくる！」
「あ！ちょっ！」
くるりと踵を返して走り出そうとしたその手を咄嗟に掴む。
「よう似合っとる。すっごくかわいい。」
そうやって耳まで真っ赤になるところも全部かわいい。
「行こっか？」
自然に、あくまで自然に、掴んだ小さな手に指を絡ませる。
りんごみたいに赤くなったAちゃんは振り払うことなくそのままついて来てくれた。
ねえ、そんな反応されたら…俺、期待してしまうばい？
SideA
結局、ジュリからの厳しいファッションチェックが入りスカートを履いて行くことになってしまった。
うぅ…スカートやら履くのもこんなにちゃんとメイクするのも、アクセサリーつけるのも久しぶりすぎてなんか落ち着かん！
それに…
ちらり、と隣を見れば慣れた手つきでハンドルを切るひろ兄。
いつも適当なTシャツにGパンでぷらぷら歩いてるのに、今日は襟のついたシャツに細身のパンツなんか履いとる。
こうやって見ると、ひろ兄って足長いんや…手も大きいし、指もキレイやなぁ…
「ねえ、そんな見られたら溶けてしまうばい？」
「えっ？！」
やばっ！私ったらつい見つめてしまった！
「こ、これはっ…！ちゃんと運転しよるか見張っとるだけやから！」
「そ？じゃあ、ずっと見とっていいよ。Aちゃんに見てもらえて嬉しいし。」
「〜っ！」
一瞬にして頬に集まる全身の熱。
真っ赤なほっぺを見られたくなくてプイ！と窓の方を向いてやる。
「あら？もう見張ってなくていいと？」
「知らん！」
おかしそうにくすくす笑う声が耳をくすぐって、また心臓が跳ねる。
窓に映った耳まで真っ赤な女の子は、何だか自分じゃないように見えた。
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☆kon☆(プロフ) - 蒲公英さん» いつもコメントをありがとうございます！こんなしがない小説を楽しんでいただき、また嬉しい感想まで本当にありがとうございます(*^▽^*)きっと絶叫はあのシーンでしょう（笑）一生懸命更新していきますので、今後もお付き合いいただけると嬉しいです☆ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 8e45766978 (このIDを非表示/違反報告)
蒲公英(プロフ) - いつも素敵なお話を本当にありがとうございます！涙したり、嬉しくなったり、絶叫したり…どきどきわくわくが止まらず、とっても楽しいです！あの御方達がゲストで登場だなんて！素敵さがますます加速していくお話にこれからも目が離せません！大好きです！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: 82e4cd4c6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kon | 作成日時：2020年12月31日 0時
