初めてのデート 9 ページ26
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結衣：私には思いつかない、凄いことを考えますね…。はるくんも、雄也さんも。
遥輝：雄也も？
結衣：出会ったその日に、梨瑠とおつきあいしたい…なんて、普通言えませんよ。障がいの事を考えたら、逃げ出す人が多い…。
…私にもその経験はあります。妹が障がい者ってだけで、大学では異端者でしたから。
遥輝：そんな事が…。だって梨瑠ちゃんは…あんなに素直な、いい子なのに…。
結衣：日本人は、障がい者を対等に見ない人が圧倒的に多い。大学でも『お前は人ではないのだから教室から出ていけ』と言われたことも、何度もあるようです。
だからあの子は、常にいい子であろうとして、感情を表に出さずに、自分の殻に閉じこもる。その殻を割ってくれるのは、雄也さんであってほしい…。私が何度も割ろうとして、何度も失敗した梨瑠の殻を…。
遥輝：結衣にとって、梨瑠ちゃんはどんな存在？
結衣：私の持っている全ての力で、守らないといけない存在です。
梨瑠が雄也さんと共に未来を歩いても、きっと私は影から支えていくでしょう。
遥輝：それで、結衣は幸せ？
結衣：…えっ？
遥輝：梨瑠ちゃんを守っていて、結衣自身は幸せ？
結衣：…わかりません。
梨瑠が笑顔であれば私も笑える。梨瑠が悲しい時は私も悲しい。
遥輝：『お姉ちゃんから幸せを奪いたくない！』そう梨瑠ちゃんは言っていた。
結衣：私の幸せを、梨瑠が奪う…？
遥輝：アメリカに行く事が結衣の幸せを奪う事だと、梨瑠ちゃんは考えていた。だから手術を受けない、と。金銭面の次に気にしていたのは、貴女の幸せだ。
『俺と結衣は、自分たちで幸せを見つけるから、梨瑠ちゃんは気にしないで』…お母さんに英語で言われたらしい。俺らは梨瑠ちゃんの訳で知ったから、お母さんが梨瑠ちゃんに伝えた意味とは、少し違うかもしれないけれど。
結衣：…そんな…。
遥輝：明後日だけは梨瑠ちゃんから離れて、結衣自身の幸せを探してほしい。
それが俺と一緒に過ごすことであるなら、俺的には大歓迎なんだけど。
結衣：はい…。
遥輝：2人が待っています。そろそろ帰りましょう。
道案内お願いします。俺は、ここがどこかわかってないんで。
ベンチを離れ、俺と結衣は手を繋いで再び歩き出した。
結衣の横顔は、月明かりとほのかな街灯に照らされて、とても美しかった。
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作者より 2019.6.18
長らく放置していたのですが、更新再開しました。
よろしくお願いします。
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梨瑠（Riru）(プロフ) - ピノさん» コメントありがとうございます。谷口選手側のお話も読んでいただけて嬉しいです。なるべく早く続きを書けるようにがんばりますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年7月12日 15時) (
レス) id: 4be05b52fd (このIDを非表示/違反報告)
ピノ(プロフ) - めっちゃ楽しんで読ませて貰ってます！谷口雄也側のはもう最後まで読ませて貰いました。次の更新が楽しみです！ (2019年7月12日 9時) (レス) id: 465b1bba0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨瑠(Riru) | 作成日時：2018年1月24日 17時
