Shout The Love 95 ページ47
翌朝。
とても寒い日の朝だった。
「勝己・・・。本当に、行くの？」
「そんな顔すんなや。お前がそんな顔だと俺が死ぬみてーじゃねぇかよ。お前、俺を殺す気か？」
いや、どんな解釈だよ。
「殺さない、死なせない。絶対に。」
「そんだけ言えんなら大丈夫だ。ガキどもは任せたからな。」
彼はフッと笑って続ける。
「とうさん。」
「ナオ、母さんとユキのことは頼んだ。母さんああ見えてすぐに泣くからな。あと、母さんのいうことは守ること。母さんとユキのこと、守ってやるんだぞ。」
「うん。だいじょうぶ。でもかえってこなかったら、ばくはしてやるから。」
「上等だ。」
爆破してやるって。
勝己、絶対帰ってこなきゃいけないね。
死ぬとは思わないけどね。
「ユキ、」
「？」
「母さんと兄ちゃんのいうこと聞くんだぞ・・・・つっても伝わってるかはわからねーけど。」
「ぁー！」
私に抱かれてるユキは右手を上げて返事をする。
ますます小さい時の私にそっくりになったな、顔つき。
「じゃあ行ってくる。」
「うん、行ってらっしゃい。」
ドアを開けて行ってしまった。
本当に一瞬で。
「っ、」
もうダメだ。
ダメだってわかっててもやっぱり泣いてしまう。
その場で崩れ落ちた。
「かあさん、さびしいの？」
「まー？」
背中をさすってくれるナオと、私の顔をじぃーっと覗き込んでくるユキ。
子供に心配させるなんて、親失格だ。
なんて思っててもどんどん溢れてくる。
失うことが怖くてどうしようもない。
「忘れ物したわ・・・・・・って、また泣いてんのかよ。」
「がづぎぃぃぃ・・・・」
「お前にキスすんの忘れたから戻ってきたのによ・・・、そんなメソメソされちまったらできねーだろ。」
「んんっ！？」
まいだーりん、君は急すぎるよ。
メソメソされたら、とか言ってる割にそれでもしてくるんじゃないの。
「とうさん、かあさんにさわらないで！」
「あ"？母さんはとうさんのモンだから良いんだよ。」
「つぎはさいばんしょであおうか。」
「上等だ、負かしてやらァ。」
何を争うんだか。
「A。お前が泣いてると俺だって行くのつれーわ。」
「うん。」
「死ぬわけじゃねぇんだから、泣かれたら困る。今日が俺の命日かよ。」
「死んだら許さないからね、」
「あったりめーだ。じゃ、次こそ本当に行ってくる。」
「行ってらっしゃい！！！！」
私にできるのは笑顔で送り出すことしかできないんだから。
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零(プロフ) - 続編がなくなっているのですがどうなっているのでしょうか？ (2020年4月25日 0時) (
レス) id: fb24472eb0 (このIDを非表示/違反報告)
夜白 - 小説の続きが無くなっているのですがどう何ででしょうか？ (2020年3月16日 15時) (レス) id: d0b9788358 (このIDを非表示/違反報告)
柊ミツバ(プロフ) - 奇跡さん» 返信が遅れてしまいすみません。番外編制作、実は考えておりまして笑笑。 (2019年10月6日 20時) (レス) id: b7e726483d (このIDを非表示/違反報告)
柊ミツバ(プロフ) - なつなつきさん» ありがとうございます！返信が遅れてしまいすみません。そう言っていただけて何よりです！ (2019年10月6日 20時) (レス) id: b7e726483d (このIDを非表示/違反報告)
奇跡 - 凄い面白かったです・・・！番外編とかもしあったら読みたいです！ (2019年6月16日 21時) (レス) id: fd2a5f5441 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊ミツバ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mitsuba0708/
作成日時：2018年11月6日 0時
