番外編ーその後のお話2ー ページ48
『…Aちゃん』
優香さんに声をかけられたのは、彼を失ったわたしが、穴が開いたようにその後の学校生活を続けていた時のことだった。
彼の死が学校でも告げられ、黙祷が行われ、お通夜に顔も出して、みんなが彼の死を悲しんで、少しずつ忘れて行く頃。
わたしはどう処理していいのかわからなくて、ずっと、心に穴が開いたような気持ちだった。
『優香…さん』
その時、わたしは、声が出せて良かった、と思った。それぐらい、大貴くんが死んでからのわたしは、喋らなかった。
『………えっと…』
わたしは大貴くんの彼女と、何を話せばいいのかわからなかった。
優香さんが話しかけて来た理由も、わからなかった。
『あのね……ちょっと、話があります』
そして、話をするために二人で向かった中庭は、今まで特に馴染みのない場所で、今でも中庭を見て思い出すのは、優香さんと話したことと、それに伴った涙のことだけ。
優香さんの話は、優香さんから告げられることは、わたしの思い出を涙で染めるのに充分だった。
私たち、つい最近、別れたんだ。
そんな衝撃な語りから始まった。
なんで、とわたしが言葉を挟む間も無く、理由は語られていった。
付き合っている間も、段々とわたしの存在が大貴くんの中を占めていっていたこと、
大貴くんは気付いていなかったと思うけど、確実に大貴くんはわたしのことが好きだったこと。
『デートに誘われたってことは、きっと私と別れて、気付いたんだよ。大ちゃんの中は、とっくに、Aちゃん一色だった…』
悔しかったなぁ、と優香さんが口にする。
『それでも大ちゃんのことも、貴方のことも憎めないしね』
わたしは泣いた。
大貴くんが死ぬ、その時に居合わせてから、わたしは泣かなかった。
大貴くんが死んでから、初めて。わたしは泣いた。
わたしが大貴くんにとって、大事な存在であったことが。
彼の気持ちを知ったわたしが、彼にはもうわたしの気持ちを伝えられないことが。
彼はもうここにはいないことが。
悔しくて、悲しくて、泣いた。
優香さんはそんなわたしの背中をさすっていてくれて、次第にわたしにつられるようにして、堪えるような嗚咽を漏らすから、わたしはいつまでも涙が止められなかった。
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いのありCONAイチゴ(プロフ) - まゆなさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（^人^）名前の件ですが、ほんっっとーーーにすみません！！本当ですね…気づきませんでした>_<ご指摘ありがとうございます。気付いたところ直して行きますが、またなってたりしたら教えてくださると助かります>_< (2017年4月3日 12時) (
レス) id: f3ae780182 (このIDを非表示/違反報告)
まゆな(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いて、いつも更新楽しみにしています！ですが、自分の名前を呼ばれたり 突然「かすみ」に変わってしまうのが どうしても気になります .. (；´・ω・) (2017年3月30日 21時) (レス) id: 3a77493012 (このIDを非表示/違反報告)
いのありCONAイチゴ(プロフ) - 聖奈さん» きゃーーーーーーーー！！聖奈ったん！！おひさし〜だね。頑張るよ〜サンクス！ (2017年2月19日 11時) (レス) id: f3ae780182 (このIDを非表示/違反報告)
聖奈(プロフ) - あかね…だね？(・д・)ノもしかしてと思ったらやはり(°▽°)更新頑張れ〜！ (2017年2月19日 10時) (レス) id: a8a41a0124 (このIDを非表示/違反報告)
いのありCONAイチゴ(プロフ) - ｡ な っ つ んさん» わかりました、出来たらそうさせてもらいます。ページ数の関係で消してしまうこともあるかもしれませんがご承知ください、 (2017年2月6日 19時) (レス) id: f3ae780182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いのありCONAイチゴ x他2人 | 作成日時：2017年2月3日 22時
