ヒ ー ロ ー 。 (Daiki.A)

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「…うっ……」









顔に、ポタポタと落ちてくる水滴の冷たさを感じて、俺はほとんど開かない目を無理矢理開いた。


瞬間、感じる激痛。



なんだよ、これ…バカいてーじゃねぇか……









薄目の中で、Aと目が合う。

視界がぼやけちゃうんだけどさ。


よかった、ケガしてないみたいだ。


少なくとも、こんな痛い思いをするのがAじゃなくて良かったよ。









「..なく、な...よ、っ、かすみ...っ」









ぼやけた視界で、Aが泣いている気がした。


俺に落ちて来たのは、君の涙？





俺は手を伸ばしてAの涙をすくった。


遠くなる意識の中で、俺は声を絞り出す。








「かすみが








いなくなったら、さ...みんな、悲しむ、か


ら...」









俺の声はちゃんと届いているだろうか。



光はもちろんだし…まずAがこんな目に遭っていたら、俺光にぶっ殺されるな…






「ひかる...も、かすみ、いなく、なったら

かなしむ...」






「そん、なの...大貴くんがいなくなっても、悲しむよ...！！」








んなことないよ…

でも何だかんだいって、光も俺のこと好きだったりしたら、いいな……







あとは…優香。あいつも、俺のことは嫌いになっても、Aのことは、好きだと思うし…








「へ...へへ、あいつも...かすみのこと気に入ってっから、...それに、









かすみいなくなったら...俺が、耐えらんねー、から...」









Aに手を握られたまま、その心地よさに溺れていく。できれば離さないでいてほしいな。









「だいき、く...」







なんで、まだ泣くんだよ。



大丈夫だよ。俺もう、痛くないし…



それって、もしかしてヤバいかな。





自分の身が大事なわけじゃないけどさ…いや、まぁちょっとは大事だけど…








けどやっぱり、一緒に生きたかったな…

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