ヒ ー ロ ー 。 (Daiki.A)

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「え、なにどうしたの」









急に大声を出した俺にAが少し引き気味に尋ねた。









「俺、忘れてた！光のこと...」









「...」









さっきから名前は沢山出していたのに、光がAの何であったかを忘れていた。









「光のこと忘れて、かすみ連れ回しちゃった...」







光はAの彼氏で、Aは光の彼女なのに。









「ごめん、ほんっとごめん！！」









パンっと手を合わせて謝った。


思い出したことによって、気分が沈んで行くのを感じた。

そうだ。Aは俺じゃない別のやつと付き合っていて、俺が独り身だからって、Aのことが好きだからって、連れ回していいわけじゃなかった。


きっと今日みたいな日を過ごせるのは、今日で最後だ。









「...大貴くん。あのね、私ひかと付き合ってないよ」









俺が手を合わせて頭を下げてから少しして、上から静かな声が聞こえた。









「...へ？」









間抜けな声が出た。


信じられない思いだった。









「あの時、ひかがついた嘘。ごめんね、言わなくて」









俺が顔を上げると、Aは冗談を言う風でもなく、

生真面目な顔をして言っていた。

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