ヒ ー ロ ー 。 (Daiki.A)

15．＊ ページ15

ー 優香 ー









「うわーっ‼何年かぶりに来たー！」









青く晴れた空の下で、はしゃいだ大ちゃんの声が聞こえる。


かくいう私も、この場が久しぶりで、少しワクワクしてしまう。


けれど大ちゃんがいつもよりも少しテンションが高めなのって、それだけじゃないと思うんだ。









私は、大ちゃんが誘ったと言っていた他クラスの八乙女くんと、綾瀬さんを見た。



八乙女くんとはLINEを交換していて何回か話したことがあるけど、綾瀬さんは初めてだ。


名前を聞いた時、驚いた。




綾瀬、Aさん…









大ちゃんが、いつも話していた子だった。









「…Aさん？」








勇気を出して、後ろから声をかける。









「あ、はい。」









私の声に振り返って、小さく返事をした。









「平石優香です。いつも大ちゃんがお世話になってます。」









私はそう言って、ぺこりと頭を下げた。


…なんか、生意気だったかな、これ。


言ったあとで不安になったけど、Aさんは、ふるふると頭を横に振りながら答えた。







「いいえ、そんな大層な…」








なんとなく、人見知りのかな、と思った。


でも謙虚に答えてくれて、いい子だな、と思った。







「大ちゃんからよくAさんの話聞くから、仲良いのかなと思って」


「ま、まぁ、席が隣だから…だと思います」









それも、きいていた。


正直、羨ましいけど…


何も言うに言えなくて、私とAさんの間に少しの沈黙が流れた時……









「さて、、硬い挨拶は抜きにしてさっさと行こーぜ。」









後ろから八乙女くんがAさんの首元に腕をかけた。

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