【実況者】この歌は君に向けて *Inevitable*

第91話 レトルトside ページ46

「……やっぱ好きなんだね」

「あ…いや、ははは」

「いいよぉ、頑張って、レトさん」


＊＊


あん時のP-Pの言葉がフラッシュバックする
ヤキモチ妬くって、諦めきれてないかもって言ったのに
頑張ってって、どういうことやねん

……もしかして、俺なんてライバルじゃないと、そういう皮肉なんか？ようわからんけど


「くっそー！ペーペーあいつぅぅ……」


声は虚しく響いた
飼い猫が擦り寄ってきたので頭を撫でる


なんか、なんか俺だけ繋がり浅いよなぁ

キヨくんとは前のイベントから意気投合して、お互い馬鹿にし合ったりとかしてるくらいの仲良しやし

つわはすくんの事はずっと前から一番大好きな実況者で、今も兄弟みたいに仲良くて慕っとる

P-Pとは幼馴染で、二人にしかわからないことも、二人にしかない思い出もたくさんあるんや


なのに、なのに俺は……


…….あかん、目潤んできた
目頭をおさえて呼吸を落ち着ける
何一人で暗くなっとんの俺！やめよやめよ


「にゃー」

「うるさいでー……ほら」


煮干しをあげると喜んでくれた
Aちゃんも、猫みたいに簡単に懐いてくれればどれだけ楽か


「好きやでー……」

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