第86話 ヒラside ページ41
「私は、ヒラが一番だよ」
その言葉に舞い上がった自分がいた
その言葉に満足した自分がいた
次の瞬間、徹を思い出した
「嬉しいよ」
Aは心配そうな顔をした
大丈夫、何もないよA
俺が、俺の心が勝手に揺れてるだけ
「ねえA」
「何?」
「男女の友情って、成立しないのかもね」
「え…?」
結局、男は皆本能で動くんだ
友達と恋人なんて、分けられないんだ
結局、俺は嘘つきだったのかもしれない
「俺、Aのこと諦められてないのかもしれない」
恋じゃない、恋じゃないって自分を騙し続けて
でもそんなのただのまやかしで
こんな不安定な感情で、徹を応援するなんて無理だったんだ
一番って言われて舞い上がった俺が、本当の本音の俺なんだ
だって、一番は徹じゃなきゃいけないのに
「ヒラ……」
「こんな俺でも、Aはまだ一番って言ってくれる?」
「……馬鹿ヒラ」
え?
Aは目に涙を溜めていた
「なんでそんな傷付いた顔するの!なんで、なんでそんな……」
「A、泣かないで……」
「ヒラは、一番だよ、大切だよ、昔からずっと、これから先も……」
ずっと一緒にいる幼馴染よりも?
尊敬しているつわはすさんよりも?
なんで?どうして?
幼馴染との時間の方が長いはずでしょ
こうやって理由を求めようとする俺は、少しめんどくさい奴なのかもしれない
「ヒラ、ヒラ……」
「A……」
大粒の涙をこぼすA
俺にしがみついて泣いている
「ねえ、A」
「な、に…?」
「ごめんね」
「なにが…?」
「本音、言わなかったこと」
「ううん、いいの」
好きだよ、A
声に出ていたか出ていなかったかはよく分からないけど
Aは優しく微笑んだ
「ヒラ、私、恋とかわかんないの」
「うん」
「でもね、ヒラはね、恋よりも、もっともっと大切な気がするの」
「うん…」
「まだ、よくわかんないから、少し、待って下さい」
「わかった」
なんとなく、フられるような気がした
理由は無いけど
俺は、近すぎた気がするんだ
***
ぴーちゃんとヒラの共通の悩み
近すぎると、あまり恋愛に発展しませんよね
この小説もだんだんラストへ向けて動いてきましたね
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リアキ(プロフ) - ルリさん» いえいえ、これからも指摘していただけると嬉しいです (2015年1月8日 16時) (レス) id: 7991102a44 (このIDを非表示/違反報告)
リアキ(プロフ) - 狩穂さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2015年1月8日 16時) (レス) id: 7991102a44 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - いえ、初コメなのに偉そうですいません! (2015年1月8日 16時) (レス) id: 41a25fe48a (このIDを非表示/違反報告)
リアキ(プロフ) - ルリさん» 変換ミスですすみません!ご指摘ありがとうございます! (2015年1月8日 15時) (レス) id: 7991102a44 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - いつも楽しく見させてもらってます!あの誤字なんですが計約じゃなくて、契約だと思います。更新頑張って下さいね! (2015年1月7日 23時) (レス) id: 41a25fe48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リアキ | 作成日時:2015年1月1日 23時