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「友達にもあんためんどくさいって見放されました」
「ははは、分かるわー」
「……」
「あ、死んだ」
「死んでねぇよ」
「口調間違ってんぞ〜」

女の子が失恋で傷ついているのに、信じられない言い草だ。
蘭たんの鳩尾を狙ってグーをお見舞いしてみるものの、鳩尾は外してしまった。

「いった……やめてよね〜!」
「慰めてくれたっていいじゃないですか」
「そんな事言われましても」
「『俺だったら、お前を泣かせないのに』くらいサラッと言ってのける男にならないとダメですよ。」
「え、何?言って欲しいの?」
「結構です」
「なんだこいつ!!」

ええ、飛び降りる気なんてないですよ。
あなたが止めに来てくれるから、あなたに会えるから、やってるだけですよ。
私は蘭たんの笑った顔が大好きだ。
くだらないギャグも、似てないモノマネも、内容の無い話も、大好きだ。
蘭たんが、大好きだ。
そんなの、蘭たんだってわかる筈なのに。この鈍感クソ野郎。
膝を抱えてうつむく。なんだかとっても悲しい気持ちになった。

「A?」
「……」

大好きな声が、私の名前を呼んだ。
私は顔も上げず、返事もせずに無視をした。
すると急に、頭をぽんぽんと撫でられてしまった。

「なん、ですか」
「タノシイのエモ」
「……バカ」

なんだかよくわからないけど、涙が止まらなくなった。
さっきとは違う、本当の涙はしょっぱくて、辛くて、溺れ死んでしまいそうだ。

「え、な、泣いてる?」
「っ、うっ、」
「……??」
「寂しい、悲しい」
「え、なに?エモの話?」
「こんなことしなきゃ、蘭たんに会えないのが悲しい」
「……は?」
「蘭たんに会いたくてこんなことしてるの、わかってます?」

顔を上げて蘭たんを見ると、蘭たんは首をかしげて、「何言ってんのコイツ」とでも言いたげな顔をした。
そして、私の手をとった。

「別に、普通に誘ったら?」
「……そんなん、好きみたいじゃないですか」
「飛び降り報告の方が変だろ」
「理由がないと、言いづらいですもん」
「んー」

蘭たんは適当に返事をすると、自分のスマホを取り出してなにやら文字を打っているようだ。
それから、私のスマホが音を立てた。

[新着メッセージが1件あります。]

蘭たん<明日、駅前のカフェで3時に死にます。

「え」
「じゃ、そういうことだから」
「え、ちょ、ま」




『飛び降り未遂はラブコール』



生存報告です。コメント返信だとかリクエストだとか更新だとか諸々放置しててすいません。

昼飯*ジャック・オ・蘭たん→←飛び降り未遂はラブコール*ジャック・オ・蘭たん



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設定タグ:ニコニコ , ゲーム実況者 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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山桜 - 面白いです!リクでアブとキヨに取り合いされる夢主…的なシチュエーションお願いします!忙しいと思いますがこれからも更新頑張って下さい! (2017年4月7日 21時) (レス) id: 98251d6bbd (このIDを非表示/違反報告)
リアキ(プロフ) - 安らぎさん» 放置してしまい大変申し訳ありません。遅れてしまって申し訳ないのですが、描きたいと思います。また時間が空いてしまったらすみません。 (2016年9月8日 1時) (レス) id: 48effb7f2c (このIDを非表示/違反報告)
安らぎ(プロフ) - リクエストお願いします!part2の「きっと俺がいなくても」の続きで、大人になってキヨと夢主ちゃんが再会するお話が見たいです(*´∀`) (2016年1月22日 19時) (レス) id: e7db9adcc0 (このIDを非表示/違反報告)
リアキ(プロフ) - みやびさん» 誤字教えていただきありがとうございます!喜んでいただけて幸いです! (2016年1月17日 22時) (レス) id: 48effb7f2c (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - お早い更新ありがとうございます…!素敵すぎて暫く悶えてましたww一箇所きになったのが、出だしのあれかり→あれからだと思います…。書いていただいたのにすみません(′・ω・`) (2016年1月17日 20時) (レス) id: 02409a287c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リアキ | 作成日時:2015年9月8日 19時

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