【実況者】君と俺達の恋愛事情 Part６

さよならヒステリック＊ヒラ ページ15

ぽつり、ぽつり
落ちていくのは俺の涙

遊園地で撮った一枚の写真
そこに写っている俺はそれはそれは幸せそうな顔をしていて、俺は俺に嫉妬した

俺の隣には、美しい女性がいた
俺と女性は指を絡ませていて、所謂恋人繋ぎをしていた


「っ…うぅ……」


涙は、止まらなかった




＊＊




「ヒラ、離して」

「……やだ」

「…ヒラってば」

「やだ…やだ…！！」


手を離そうとする彼女
離れたくなくて、腕にしがみついた


「……別れようって、言ったでしょ」

「…僕、いいよなんて、言ってない」

「お互いに良くないよ、こんな関係」

「こんな関係って、何？僕はただ、好きなだけなのに」

「……私は、私はヒラをダメにしちゃうもん」

「Aの、せいじゃない」

「それに、それにもう……」


彼女は何か言おうとして、言葉を飲み込んだ
俺はその言葉の先を知っていた
知っているのに、知らないふりをした


「やだ、やだやだやだ……」

「……ごめん！」


彼女は俺の手を振り払った
俺に背中を向けて、足早にその場を去ってゆく


「A！A、A……」
「行かないで、行かないで、僕を、俺を、おいて行かないで…」
「やだ、やだやだやだやだ……」


涙が溢れ出した
その場でしゃがみ込んで彼女の方へ手を伸ばした
この手は彼女に届かない
彼女は、彼女は


「A…うっ……俺、俺、どうしたら、いいの…？A、AAA…」


周りの目なんてどうでもよかった
彼女が、Aが、俺の隣にいない
目をこすってもこすっても、涙は止まらなくて、怖くなって


「……ヒラ」


ふわっと何かに包まれた
心地よい香りと、大好きな声が聞こえた


「A…、A！！」

「ごめんね、ごめんね……私が、私が間違ってた、私が悪かった……」

「A…戻って来てくれたの……？」

「大好きな、大切なヒラを、一人にするなんて、私が間違ってた…ごめん、ごめんね……許して……」

「嬉しい、嬉しいよ」


しがみつくように彼女に抱きついた
これからも、この先もずっと一緒
彼女がいるから俺がいる




彼女に、依存しすぎてることなんて

知ってる


彼女が、俺に疲れてることなんて

知ってるよ


それでも俺は彼女が好きだから、離れたくないから

知らないふりをし続ける

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