【実況者】君と俺達の恋愛事情 Part６

今更惜しんでも＊キヨ ページ11

＊『足りない足りない、まだ足りない』の数年後(キヨさんも夢主も成人後)のお話です。先にそちらをごらんください。
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いい歳してるくせに
情けない、みっともない
そんなん分かってる

分かってても止まらない涙は、俺の頬を濡らす
俺の背中をさすってくれている友人は、こんな俺を見てどう思っているんだろう

五年以上付き合った彼女に浮気された
プロポーズも考えていた俺は、その現実を受け入れたくなかった

そして今日、彼女と別れた


「おいキヨ、目ぇ腫れんぞ」

「っ、ごめ、こーすけ……もう、暗ぇし、帰っていいぞ」

「本当に大丈夫か？」

「だい、じょうぶ、だから」


友人は最後まで俺を心配していたが、夜も遅いので帰らせることにした
俺のワガママに付き合わせるわけにはいかない

虚無感に襲われる

何だったんだ、俺が今まで彼女に注いだ愛は
何だったんだ、彼女のあの笑顔は

全部、全部



ピンポーン


くそ、こんな時に
目を擦って玄関へ向かう
生憎家族は外出中だ

誰だ？どうせ友達だろ
あ、宅配便とかか？


「はい、どなたで………」


ドアの前にいたのは、女性だった
一言で表すのなら、『美人』
本当に、本っ当に美人だった
そして儚い雰囲気が、彼女の顔立ちをより一層引き立たせていた


「…キヨ？」

「……へ、あ」


彼女の中に、懐かしさを感じた


「久々に故郷に戻って来たから、キヨにも会いたくて」


そう言って微笑んだ彼女
あれ、こんなに美人だったっけ
俺の知ってるあいつじゃない


「…A」

「キヨ、泣いたでしょ」


何かあったの？と俺の顔を覗き込む彼女
なんでもない！と距離を取る
五歳も年下なはずなのに、なんだこいつ、大人びやがって


「なによ、人の顔まじまじと見つめて」

「別に、なんでもねぇよ」


昔みたいに、ぽんぽんと頭を撫でる
彼女は嬉しそうに笑った


そして、今気づいた
彼女の左手には、キラキラ光る指輪があった
俺も、恋人の指にはめる予定だった、結婚指輪だ


「結婚、したのか」

「まあね」


何故か分からないが俺の心の中には「後悔」の二文字が浮かんでいた



＊＊＊
裏設定ですが夢主ちゃんの旦那さんはアブさんです
恐らく使うことのない設定でしょうが(笑)

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