淡い九月の思い出＊ヒラ ページ2
＊【実況者】君と俺達の恋愛事情 Part5の『儚い七月の夢』のシリーズ(その他二つあります)です。先にそちらからどうぞ！
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夏から秋に移行し始め、寒さが増してくるこの頃
仕事帰りに自動販売機で買ったココアはあまりにも甘すぎて、持て余してしまっている
ふと顔を上げると、見慣れた場所があった
そこは前までは俺の大好きな、心地よい場所だったはずなのに
今では酷く寂しい場所に見えた
「…会いたい」
あの日できなかった口付けも、渡せなかった指輪も、叶わなかった願いも
全部全部俺の中に溶けた
どろどろに溶けて、俺の心の奥底に溜まったソレは今でも消えきれずに俺の中にある
ゆうれい、幽霊か
彼女はどうして死んでしまったんだろう
あんなに若いのに、あんなに美しいのに
背後から高校生の騒ぐ声が聞こえた
聞きたくなくて、耳を塞いだ
「……ヒラ？」
不意に声をかけられた
顔を上げると、そこには見知った顔があった
「わ、フジ」
柔らかな笑みをこちらに向ける彼は、俺の友人
彼もスーツ姿だったので、恐らく仕事終わりだろう
俺も笑みで返すと、フジは「家寄ってよ」と言った
二人で並んで歩く
二人の影は長く長く伸びていた
「コンビニ寄ってこ」
「おう」
「何買おっかな〜」
「ねーヒラ、あそこで何してたの？」
「え？……んー、思い出に浸ってた」
「なんだそれ」
変なの、とフジは笑った
変だよね、やっぱり
幽霊に恋して、それが忘れられないなんて
「フジさ、幽霊って信じる？」
「幽霊？」
「うん、おばけ」
「んー……優しい幽霊なら、いたらいーなーって感じ？よくわかんない」
「怖くないの？」
「……俺の大好きだったあの子が、幽霊になって、俺の側にいたらいいのにな、なーんてね」
「……そ、か」
あまり、深く聞いてはいけないと思った
それは、フジの表情がどこか狂気じみていたから…なんて、考えすぎかな
「幽霊に恋しちゃった、って言ったら信じる？」
「なんだよそれ」
「本当なんだけどさぁー、信じれないよねー」
「ヒラの言うことなら、信じちゃうかも」
「ほんと？」
「うん……なまら真剣な顔してるし」
「あはは…切ないよねー」
愛しい、愛しい君の実体を奪った奴など、俺には知る由もなく
ただただ現実にひれ伏すしかない
＊＊＊
前作では夢主が消えた後のヒラさんの気持ちを書けなかったので！
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山桜 - 面白いです！リクでアブとキヨに取り合いされる夢主…的なシチュエーションお願いします！忙しいと思いますがこれからも更新頑張って下さい！ (2017年4月7日 21時) (
レス) id: 98251d6bbd (このIDを非表示/違反報告)
リアキ(プロフ) - 安らぎさん» 放置してしまい大変申し訳ありません。遅れてしまって申し訳ないのですが、描きたいと思います。また時間が空いてしまったらすみません。 (2016年9月8日 1時) (レス) id: 48effb7f2c (このIDを非表示/違反報告)
安らぎ(プロフ) - リクエストお願いします！part2の「きっと俺がいなくても」の続きで、大人になってキヨと夢主ちゃんが再会するお話が見たいです(*´∀｀) (2016年1月22日 19時) (レス) id: e7db9adcc0 (このIDを非表示/違反報告)
リアキ(プロフ) - みやびさん» 誤字教えていただきありがとうございます！喜んでいただけて幸いです！ (2016年1月17日 22時) (レス) id: 48effb7f2c (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - お早い更新ありがとうございます…！素敵すぎて暫く悶えてましたww一箇所きになったのが、出だしのあれかり→あれからだと思います…。書いていただいたのにすみません(′・ω・｀) (2016年1月17日 20時) (レス) id: 02409a287c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リアキ | 作成日時：2015年9月8日 19時
