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そこで、教室を出ようとしていたのか、自分より少しだけ肩が高い人とぶつかった。
 当たったところが少しだけ痛く、そこを撫でる。

「邪魔だわ、クソが。どけ」

 さっきの怒鳴り散らしていた人物なのか、眉間に皺を寄せて、睨みながら彼は言った。
 初対面だというのに、これは酷いだろう。本当にヒーローを目指しているのか疑うくらいに。
 だが、その時、彼に睨まれていたのにもかかわらず、私は“この人だ”と決心した。
 LONAの感情を作る素材になってもらおう。
 私は、どんなに口が悪い人でも怖いとは思ったりしない。
 だからか、何を言われてもあまり動じないところがある。

「嫌だね、君に話があるからどかない」

 こんなに感情を露わにしている人は早々いないし、何より実験を成功させたかった。
 私は、大きなドアの前に両腕を広げて、彼が通れないようにした。
 彼の不機嫌さは増して、眉間の皺も増えていく。

「じゃますんじゃねぇ、どけ」

 通り抜けようとする彼の前に移動して、通せんぼをした。
 怒った彼が、片方の手でBOMBと音を爆発音を鳴らしながら言う。
 しかし、私にはそれを超えるモノを持っているため、一ミリも怖くない。
 正直、彼に勝てる自信がある。
 体格も、本来の姿になれば何十倍の大きさにだってなれる。

「いいけど、私の頼みを聞いてからね」

 条件を出すと、彼は顔を歪めて、「はぁ?」と言った。

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作者名:Hermia | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kakuumusou1/  
作成日時:2018年7月1日 20時

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