あの子はシンデレラ (ページ10)

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○９ページ10

「へぇ、バレーボールにしたんだ。」

松村くんは意外そうに黒板に書かれた名前を見る。

『仕方ないでしょ、バスケかバレーボールで悩んだけどバスケなんて経験者には敵わないだろうし。』

「佐藤さんも？」

『うん、みさきとは２つとも同じ競技にしたから。』

これからクラスは体育祭に向けて本気ムードになるだろう。憂鬱でしかない。

『はぁ。』

ため息ばかりつき続ける私を松村くんはくすくすと笑いながら見てくる。

『松村くんは？』

「え？」

『松村くんはなんの競技にしたの。』

人のことを笑う余裕があるんだ、さぞかし自信があるんだろう。

「俺はバスケとリレー。」

『え！松村くんリレー出るの！』

意外だ。どちらかというと引きこもりで走り苦手そうなのに。

「何その目。別に出たかったわけじゃないけどリレーは体育で測定した速さで決まっちゃったからね。」

『あぁ、なるほど。』

ちなみにジェシーくんはヘルプにも入るらしく、リレー、バスケ、バレーボールの３つに出場するらしい。聞いた話だけど。