あの子はシンデレラ (ページ23)

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「そろそろ準備しにいく？」

みさきに声を掛けられて、スタート位置へと歩き出す。ちょうど応援席に戻っていくジェシーくんと北斗くんとすれ違う。

「みさきちゃんとまほちゃん借り物競走でるんだったよね！」

ジェシーくんは楽しそうに聞いてくる。

『そうだよ。』

「オレも出れば良かったー。」

「すでに３つの競技に出てるやつが何言ってるんだよ。」

北斗くんのツッコミにけらけらと笑いながらジェシーくんは話し続ける。

「だってー、オレも借り物競走で"好きな人"とかひきたいもん！」

「ジェシーくん……好きな人いるの？」

みさきが恐る恐る聞く。ナイスみさき、それは私も気になる。

「へ？いないよ。」

『それじゃあ、そのお題出ちゃったらゴール出来ないんじゃない？』

「たしかに！HAHA！！」

前から思ってたけどジェシーくんってちょっと抜けてる所ある気がする。

「というか、あなたたちそろそろ集合じゃない？」

北斗くんの言葉にスタート地点に目を向けると、続々と出場者が集まっている。

『ほんとだ！やば！』

「行こ！！」

慌ててみさきと2人で走り出す。集合すると、軽いルール説明があった。

まず走り出したらランダムに置かれているお題の紙を拾う。お題は他の人に見せても見せなくてもいいけど、お題の物や人を連れてゴールに向かう。お題に沿ってるかどうかの判断は体育祭の実行委員が行うらしい。

「お題って他の人にはバレないんだね。」

『"好きな人"の公開処刑が流石に文句たくさん出たんじゃない？』

そんなくだらない話をしている間に借り物競走の準備が整ったらしい。

「位置について、よーい」

「ドン！！」

掛け声とピストルに合わせて走り出す。まっすぐ向かってお題の紙を広げると、立ち止まって開いた。