あの子はシンデレラ (ページ21)

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リレーが行われる校庭にやってくるとすでにたくさんの人が集まっていた。

『すごい人の数だね。』

「リレーってメイン種目なところあるもんね」

そんなふうに話しながらリレーが始まるのを待つ。こうやって2人でゆっくり話すのは、なんだか久しぶりな気がした。

もし、あの疑問を聞くとしたらここしか無い。

『みさきってさ、もしかしてジェシーくんのこと……。』

「っえ、気付いてたの！？」

みさきは驚いた表情をする。

「……うん。ジェシーくんのこと、好きだよ。」

あぁ、やっぱり。

『最近よく話してるもんね。』

嫌な予感というのは外れてはくれないらしい。私の方が前から好きだったのに。私だって話したいのに。

そんなことを考えてしまう自分に嫌気がさす。彼のことが好きだとみさきに言わなかったのは自分じゃないか。今更文句を言える筋合いは無い。

「そんなに分かりやすいかな？」

みさきは少しだけ不安そうにそう言う。

『まぁ、少しだけ……？』

きっと、同じ気持ちを抱いてるから気付いたんだろうけど。

みさきはいい子だ。なのに勝手に嫉妬して冷たくあたって。申し訳なくてなんだか泣きそうになる。

「あ、リレー始まるみたいだよ。」

みさきはそう言って前を向く。涙がひっこむまで少し待ってから、私も校庭に目を向けた。