あの子はシンデレラ (ページ14)

今日:1 hit、昨日:20 hit、合計:19,304 hit

○１３ページ14

「あ！みさきちゃん大丈夫だった？」

教室に戻ってしばらくすると他の子達が騒ぎ出す。顔をあげると、みさきが保健室から戻ってきたようだった。

「大丈夫だったよ！ジェシーくんが保健室に連れていってくれた後も一緒にいたくれたから。」

嬉しそうに話すみさきを見て、胸が痛むのがわかった。いつもならすばやく駆け寄って、その無事を喜ぶのに今はその気になれない。

「いかなくていいの？」

横から松村くんが声をかけてくる。

『よくない。』

即答する私に松村くんは不思議そうな顔をした。

「なら話しかけに行けばいいのに。」

『話したいし、心配だけど……、今話したらきっとみさきに感じ悪く当たっちゃうから。』

それは嫌だった。大事な友達に嫉妬してあたるなんてことしたくない。しかしそんな考えは強制的に却下される。

「まほ！」

みさきは私の方に笑いながら駆け寄ってくる。

『大丈夫だった？』

「うん！ジェシーくんが話してくれたから退屈もしなかったよ。」

『……良かった。』

怪我は大したことがなさそうで安心する。

『ジェシーくんに感謝だね。』

「ほんとそう！」

みさきは頷くとジェシーくんの方を見る。つられるように目線を動かすと、ぱちりと目が合った。

「みさきちゃん元気そうだね！」

ジェシーくんはそう声をかけながらこちらに向かってくる。

「うん！おかげさまで。」

「ねぇ、思ってたんだけどさ。」

ジェシーくんはそういうと顔を横に向ける。

『！？』

その目に写っていたのは私だった。