49 ページ2
.
土曜日。今日は家を出るなと言われた日
折角だからゆっくり眠っていようと思っていたのに、8時前には目が覚めてしまった
仕方ないと早々に諦めて顔を洗い、部屋着からゆったりとした白いTシャツと薄ピンクのチュールスカートに着替えて、溜まった洗濯物を片付けた
今日は外に出ろと言わんばかりの快晴だ
9時を回った頃、来客を知らせるベルが鳴り響いた
『こんな朝早くに誰だろ？』
洗濯物を干す手を止めて玄関に向かうと、金髪のリーゼントが見えた
武｢朝早くにごめん。｣
『武道くん。どうかした？』
武｢あの、さ。今日は絶対に家から出ないで欲しいんだ！｣
バッと効果音が出てしまうのではないかと思ってしまう程勢いよく頭を下げられた
『えぇ。待って、とりあえず頭を上げよう。そして落ち着こう。』
頭を上げた、この間出会ったばかりで友人と呼んで良いのか分からない目の前の彼を見つめた
思いのほか真っ直ぐな目に圧倒されて、少しだけ息を飲んだ
『何で君が私にそう言うのかは分からないけれど、きっとなにか大切な事情があるんだよね？』
会うのが2回目の私にも、彼が適当なことを言っていない事は分かった
武｢えっ...なんで。｣
目の前の彼は驚いているのか、信じられないというように瞳を揺らして目を見開いた
武道くんは、不思議な人だ
そしてとても真っ直ぐな人
『私、今日は家にいるようにってみんなに言われているから。元々ここに居るつもりだったよ。』
昨日、学校から帰ってからマイキーやドラケン、隆くん等々。お馴染みのメンバーが家に押しかけて来て、釘を刺されたばかりだ
ちなみに、この過保護集団にはぺーやんくんと千冬くんも含まれている
『武道くんも私のことを心配してきてくれたんでしょう？分かるよ、君の目を見れば。』
ありがとう
そう言うと、武道くんは急に瞳に涙を貯めた
『ねえ、もし時間があるなら上がっていってよ。せっかく来てくれたんだし。』
武｢いや、でも。｣
集会での千冬くんの態度を気にしているのかな
『大丈夫。武道くんが来なかったとしても私に同じことを伝えるために必ず来る人が居るから。もうすぐ来ると思うから中で一緒に待とう。』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まろん(プロフ) - にゃあさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます...！続きを書く予定は無かったのですが、今書いている作品が書き終わってから検討したいと思います！ (2021年9月20日 13時) (
レス) id: c1fd68942b (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ(プロフ) - この続きがよみたいです！！まってます！！ (2021年9月20日 4時) (レス) id: 4438afae7c (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 月虹さん» ありがとうございます！わわ、そんな勿体ないお言葉をいただけて光栄です...！ (2021年9月15日 22時) (レス) id: c1fd68942b (このIDを非表示/違反報告)
月虹(プロフ) - 完結おめでとうございます‥！とても引き込まれるお話でした‥！ (2021年9月15日 21時) (レス) id: 2f1b7d1c60 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - クロスさん» コメントありがとうございます...！楽しんでいただけて何よりです！こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2021年9月15日 21時) (レス) id: c1fd68942b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まろん | 作成日時：2021年9月13日 0時
