愛のかたち。2【松野千冬】

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千冬side









あの抗争から3日が経った









あの日、病院に運ばれたAが処置を施してもらった後、彼女に身内が居ないことを伝えると、救急車に同乗していた事を理由に医者から説明を受けた









包帯やガーゼで手当てをされ、痛々しい姿をして目の前で眠るAを見つめて医者の言葉を思い出す









“腹部と背部を中心にアザや打撲が目立ちます。肋骨にはヒビも見られます。”









“おそらく、抵抗しなかったのでしょう。抵抗すると普通は腕にも痣が見られるのですが、腕はとても綺麗です。”









眠っている彼女の頬を撫でる









千｢なんで抵抗しなかったんだよ...｣









その理由は、何となく分かっている









一度は海に身を投げようとしていたくらいだ
だからこのまま死んだとしてもそれでいいと思っていた、んだと思う









でも、あの時確かに言っていた









“私、絶対に死なないから。”









どんな心境の変化かは分からないけど
でも、泣きそうになるくらい嬉しかった









彼女は今、生きようと頑張っている
だから毎日病院に来て、彼女とした約束を果たす









“私が目を覚ますまで、ずっとこのまま手を握っててくれる...？”









タケミっちから聞いたよ









目が覚めた時にみんながいないと寂しいって言ったんだろ？









俺はいつまでも隣にいるから
絶対にここにいるから









もう、安心していいよ









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