焼き芋から始まる恋【松野千冬】

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誕生日なんて、すっかり忘れていた







そう言えばりっちゃんや友だち数人からやたらメッセージが届いていたなあ、なんて考えていたら笑顔の千冬くんに右手を取られた







千｢じゃあ、行きましょう！｣







『え、え？どこに行くの？』






千｢いーからいーから！｣







鼻歌交じりの可愛い千冬くんに手を引かれながらすっかり暗くなった道を歩いた







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『ここって...』







着いたのは私と千冬くんが出会った場所







千｢あれから半年経ったんスね。｣







長いようで短い半年間だったなあ
忙しない私の日常に千冬くんが入ってきて







今までもとても楽しい毎日だったけれど、千冬くんに出会ってからは毎日がキラキラしている







『私、あの時ここに居てよかったなあ。』







空を見上げながらそう言うと、繋がれていた右手がさらに強く握られる







千｢俺、あの時一目惚れして。どうしたらAさんの世界に入れるかなって、必死でした。｣







千｢Aさん、大好きです。これからも幸せにするので、ずっと俺の隣にいてください。｣







誕生日おめでとうございます、そう言って強く抱きしめられた







『うん、私も。千冬くんのこと大好き。誕生日祝いに来てくれてありがとう、千冬くんもずっと私のそばにいてね。』







抱きしめ合いながら2人で笑い合った









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