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見慣れた道だと気づいてからは早かった
『はぁっ... 着いた。』
目の前の一軒家を見上げながら深呼吸する
目的地に着いたという安心からなのか、一気に身体全体に疲労が押し寄せた
酸素不足で震える指先でインターホンを鳴らした
お願い、出て
しばらくの間、祈るようにして待っているとドアは開いた
？｢はあい。どちら様？｣
その人を見た瞬間、自身の目から涙が溢れたのを感じた
『っ...！おばあちゃん。』
せっかく整えた息もすぐに乱れた
約2年ぶりに突然現れて泣き出す孫に酷く動揺する祖母が視界に映る
色んな感情が混在しているはずなのに、頭は驚くほど冷静で。おばあちゃん白髪増えたな、なんて呑気に考えていた
祖母｢Aちゃん！どうしたのそんな格好で！服も破れて足からは血も出ているじゃないの！早くお家に入りなさい。｣
久しぶりに会った祖母が昔と変わらず優しいから
やっと解放されると思えたから
逃げ切れたと、思えたから
余計に涙が止まらなかった
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作者名：まろん | 作成日時：2021年9月10日 0時
