愛のかたち。【松野千冬】 (ページ49)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:55,904 hit

このお話の解説ページ49

.

このお話を読んでくださっている方々、いつもありがとうございます。作者です。

自分でも書いててよく分からないため、ここらで少し解説(というか解釈？)を。

Aさんはまだ親の愛情を欲する年齢で両親を叔父によって亡くされています。今もまだ14歳という幼い年齢なので、無条件の親の愛が欲しい。親からの愛って、恋愛とは違って子供にとってはとても尊いものなので。でも両親はもう居ないため、その愛は貰えない。

愛に飢えた可哀想な子供。そんな解釈でいいと思います。

そんな状態の時に叔父から最大に歪んだ愛を注がれてしまうわけです。小学生にあんなドロドロとした愛情を与えれば、当然困惑するし、変な価値観を植え付けられます。(と思います。)

この愛が歪んでいて、世間一般では可笑しいと言われるものだと分からず、このおぞましいものこそが愛情なのだとAさんは間違えた解釈をして育ちます。これが間違えていると教えてくれる大人はいないので。唯一近くにいる大人である叔父はそんなこと教えてくれませんし。

もちろん、亡くなるその時までは両親に愛されて育ちましたし、それをAさんも分かってはいるのですが、あまりにも衝撃が強すぎて頭が混乱したままになっているので、両親から向けられたこそものが愛情であるとは思っていません。

心のどこかで“あんなおぞましい感情と両親が自分に向けてくれた感情が同じものだと信じたくない”と無意識に蓋をしています。

なので、“愛情”という名が付くものを嫌い、恐れている。

そんな感じです。

千冬くんの事を恋愛的な意味で好きだけれど、自分でそれを分かっていません。

恋愛をしたことがないというのもありますが、普通に混乱しているのと、自分が誰かにあんなおぞましい感情を向けたくない。無意識にそう思っていて、彼女の中で全ての恋愛感情には蓋がされています。

そして、元々はとても明るくて表情豊かなAさんなのですが、そこら辺も若干失われかけてます。精神的に参ってしまうと楽しい感情というものは中々表に出せなくなってしまうものですから。

長くなりましたが、いかがでしょうか。
拙い文章で伝わりにくいと思いますが、何とか伝わってくだされば幸いです。

これからもドロドロしてはおりますが、時間潰し感覚で読んでいただけたらと思います。

.