3 ページ5
*
「…………私にはやたらと喧嘩が強い中学生の親戚しかいませんけど」
「絶対に俺の親戚だろ」
「どこにその根拠があるんですか?」
だめだこの金髪、話が通じない。
それに加えて、掴まれている手首が少し痛い。
金髪の後ろにいる黒髪切れ目に視線を移せば、すぐに逸らされてしまうし。一体この人たちは何が言いたいんだろう。
「あの佐野さん。校門で中学生のの男の子と女の子が待ってるけど、」
私とこの二人の顔のいい男の子の会話に割って入ってきた生徒はある意味勇者だ。
やばい万次郎が来たと焦りに焦る。奴が現れると私の高校生ライフが終わってしまうから急いで離れないと。
「ごめんなさい!私知らない!それでは!」
振り払って走って校門まで行くと、万次郎とエマがいた。「おっそい!」と頬を膨らませて怒る万次郎を「マイキーが早く来すぎたんでしょ!」と宥めるエマ。
ごめんごめんと笑えば、万次郎にお尻を蹴られた。痛い。
「なんかめちゃくちゃカッコいい二人に呼び止められちゃった」
「物好きがいるもんだね」
「おい万次郎、ふざけんな」
エマの手を繋いで行こっかと笑顔を向けた。
うん!と可愛い笑顔を返してくれるエマと二人で歩いていると、機嫌を損ねた万次郎がとなりにやってくる。
手、繋いであげようか?と差し出せば「俺そんな餓鬼じゃねーし」と言いつつも手を繋いでくる。
「マイキーは可愛いね」
「可愛くねぇし、かっこいいんだよ俺は」
まるで保育園の先生にでもなった気分。
たい焼き屋さんについて、二人にたい焼きを奢ってあげる。近くで海を眺めながら三人で頬張って。
「ここに真兄いたら尚更美味しかったかもね」
「……うん」
まだ傷が癒えない彼らに、地雷のように落とした言葉。けれど、それでも前を向いてないとシンイチローに怒られちゃうからね。
「真兄には可愛い私に彼氏ができたことを早く報告しなきゃいけないから。二人とも協力よろしく」
「無理」
「私もそれどころじゃない」
「なんでよ……!」
.
692人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちえ - 私の最推しのイヌココが出た時はギャーギャー叫ばすにはいられませんでした (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!あああもう好きっっ (2021年10月12日 23時) (レス) @page37 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 更新ありがとうございますぅぅやばいです!ようやくデレ九井くん登場でドキドキが止まらないのともう場地さぁぁぁんって気持ちで溢れて続きが気になりすぎます!!!、 (2021年10月12日 22時) (レス) @page37 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 場地さんんん切ねぇ😭更新お疲れ様です! (2021年10月9日 22時) (レス) @page27 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - うわぁめちゃくちゃ続き気になるっ更新お疲れ様です! (2021年10月9日 17時) (レス) @page25 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作成日時:2021年10月3日 14時